栃木県における牛ウイルス性下痢ウイルスの分子系統樹を利用した疫学解析

1989~2007年に栃木県で分離された牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)63株は,E2遺伝子327bp における分子系統樹解析により,21株が1a型,27株が1b型,11株が1c型,4株が2a型に分類された.また,BVDVが分離された牛の飼養農家が利用していた公共牧場に着目したE2遺伝子663bpにおける分子系統樹では,99.0~100%の高い相同性で利用公共牧場別に分類された.このことから,公共牧場が県内におけるBVDVの主要な感染経路の一つであったことが示唆された.本県において実施している放牧予定牛を対象としたBVDV検査は,持続感染牛が公共牧場に放牧されることを阻止し,主要な感染経路...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2009/05/20, Vol.62(5), pp.371-375
Hauptverfasser: 岩根, 浄子, 深井, 克彦, 田島, 和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1989~2007年に栃木県で分離された牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)63株は,E2遺伝子327bp における分子系統樹解析により,21株が1a型,27株が1b型,11株が1c型,4株が2a型に分類された.また,BVDVが分離された牛の飼養農家が利用していた公共牧場に着目したE2遺伝子663bpにおける分子系統樹では,99.0~100%の高い相同性で利用公共牧場別に分類された.このことから,公共牧場が県内におけるBVDVの主要な感染経路の一つであったことが示唆された.本県において実施している放牧予定牛を対象としたBVDV検査は,持続感染牛が公共牧場に放牧されることを阻止し,主要な感染経路を遮断するきわめて有効なBVDVのまん延防止対策であることが確認された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.62.371