奇形歯に破歯細胞性吸収病巣が併発した下顎内歯瘻の犬の1例
3歳齢,雌のミニチュア・ダックスフントに左下顎口腔粘膜の潰瘍と第1後臼歯歯頸部の歯質吸収およびエナメル質表面に裂溝が認められた. X線検査にて,第1後臼歯根尖周囲の骨吸収像と歯頸部歯質の吸収像,収束した歯根が認められたことから,本症例は歯頸部歯質の吸収もしくは奇形歯に認められることが多い副根管から歯髄が感染・壊死し,根尖周囲膿瘍へ進行した内歯瘻であると思われた. 抜歯を考慮したが,飼い主の希望により根管治療と歯頸部歯質の修復を行い,罹患歯を温存した. その後,口腔粘膜の潰瘍の消失と根尖周囲の骨吸収像の縮小がみられたが,歯質の吸収が進行したため,治療後7カ月目に抜歯を行った. 罹患歯は,病理組織...
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Veröffentlicht in: | Nippon Juishikai zasshi 2009/03/20, Vol.62(3), pp.229-232 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 3歳齢,雌のミニチュア・ダックスフントに左下顎口腔粘膜の潰瘍と第1後臼歯歯頸部の歯質吸収およびエナメル質表面に裂溝が認められた. X線検査にて,第1後臼歯根尖周囲の骨吸収像と歯頸部歯質の吸収像,収束した歯根が認められたことから,本症例は歯頸部歯質の吸収もしくは奇形歯に認められることが多い副根管から歯髄が感染・壊死し,根尖周囲膿瘍へ進行した内歯瘻であると思われた. 抜歯を考慮したが,飼い主の希望により根管治療と歯頸部歯質の修復を行い,罹患歯を温存した. その後,口腔粘膜の潰瘍の消失と根尖周囲の骨吸収像の縮小がみられたが,歯質の吸収が進行したため,治療後7カ月目に抜歯を行った. 罹患歯は,病理組織学的検査にて破歯細胞性吸収病巣と診断された. 本症例は奇形歯に破歯細胞性吸収病巣が併発した下顎の内歯瘻であり,まれな症例と思われた. |
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ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma.62.229 |