牛疫ウイルスFusan株Cattle type実験感染牛の病理組織学的特徴

牛疫ウイルスFusan株cattle typeを接種し,5日後に安楽殺された黒毛和種牛について,病理組織学的検索を行ったところ,病変は主として消化管粘膜およびリンパ系組織に認められた。口唇および口腔内粘膜,舌,第三胃においては上皮有棘層に主座する壊死,合胞体形成がみられ,細胞質内封入体を伴っていた。同様の病変は,鼻鏡,喉頭蓋,眼瞼においても観察された。第四胃から大腸,気管から気管支および乳管においては,粘膜上皮の単細胞性ないし巣状壊死が認められた。特に,回盲部から結腸において病変は重度で,びらん形成も観察された。これらの病巣には合胞体形成および細胞質内封入体形成を伴っていた。また,全身のあらゆ...

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Veröffentlicht in:動物衛生研究所研究報告 2009-01 (115), p.1-14
Hauptverfasser: 木村, 久美子, 播谷, 亮, 森岡, 一樹, 深井, 克彦, 川嶌, 健司, 大橋, 誠一, 坂本, 研一, 吉田, 和生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:牛疫ウイルスFusan株cattle typeを接種し,5日後に安楽殺された黒毛和種牛について,病理組織学的検索を行ったところ,病変は主として消化管粘膜およびリンパ系組織に認められた。口唇および口腔内粘膜,舌,第三胃においては上皮有棘層に主座する壊死,合胞体形成がみられ,細胞質内封入体を伴っていた。同様の病変は,鼻鏡,喉頭蓋,眼瞼においても観察された。第四胃から大腸,気管から気管支および乳管においては,粘膜上皮の単細胞性ないし巣状壊死が認められた。特に,回盲部から結腸において病変は重度で,びらん形成も観察された。これらの病巣には合胞体形成および細胞質内封入体形成を伴っていた。また,全身のあらゆるリンパ系組織においては,濾胞の壊死,細網細胞ないし単核食細胞系(MPS)細胞の過形成,合胞体の形成が細胞質内封入体を伴って観察された。上皮細胞あるいはMPS細胞に見られたウイルス性封入体は,稀に核内においても観察された。牛疫ウイルスFusan株感染牛における病理組織学的特徴が明らかになった。
ISSN:1347-2542
DOI:10.24514/00001959