化学発光法を用いた清酒の熟度・抗酸化能の評価

化学発光法による清酒の品質評価手法の開発を目的に,清酒の品質変化と密接な関係を持つ熟度・抗酸化能を計測できるか検討した。その結果, 1. 清酒の発光は,汎用的な携帯型の微弱発光計数装置で充分捉えられるものであり,X発光を除きその発光曲線は安定していた。 2. Y発光とMPECは清酒の主要成分の影響を受けなかった。一方,NaClO発光はpHの,RCはアルコール濃度の影響を受けることが判明し,製造履歴の異なる清酒を評価するには成分の把握と補正が必要であることが分かった。 3. NaCIO発光は,pH補正をすることで発光指標の適合性が高まり,成分の異なる清酒でもTrolox換算値と高い相関を示した。...

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Veröffentlicht in:Nippon Jōzō Kyōkaishi 2009, Vol.104(4), pp.303-311
Hauptverfasser: 山口, 貴之, 齋藤, 高弘, 岡本, 竹己, 佐々木, 隆浩, 杉江, 正美, 〓原, 昌司, 志賀, 徹
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:化学発光法による清酒の品質評価手法の開発を目的に,清酒の品質変化と密接な関係を持つ熟度・抗酸化能を計測できるか検討した。その結果, 1. 清酒の発光は,汎用的な携帯型の微弱発光計数装置で充分捉えられるものであり,X発光を除きその発光曲線は安定していた。 2. Y発光とMPECは清酒の主要成分の影響を受けなかった。一方,NaClO発光はpHの,RCはアルコール濃度の影響を受けることが判明し,製造履歴の異なる清酒を評価するには成分の把握と補正が必要であることが分かった。 3. NaCIO発光は,pH補正をすることで発光指標の適合性が高まり,成分の異なる清酒でもTrolox換算値と高い相関を示した。 4. Y発光とMPECは没食子酸とタンニン酸に反応し,RCはそれに加えてフェルラ酸と反応した。 5. 清酒への利用適性を検討した結果,NaClO発光(熟度指標)とMPEC(抗酸化指標)が,化学指標との相関が高く発光も安定しているため,清酒の品質評価手法として有効であると判断された。 6. NaClO発光とMPECの測定方法は簡便・迅速であり,発光検出時間も1分以内と短時間で済むことから,既存の手法に比べて製造工程での利用性が高いと考えられた。
ISSN:0914-7314
2186-4012
DOI:10.6013/jbrewsocjapan.104.303