さとうきびの秋収穫栽培における被覆作物を用いた土砂流出防止技術の開発
さとうきびの秋収穫栽培においては8,9月を植え付け適期としており,秋収穫栽培あるいは慣行栽培の収穫後,植え付け迄の期間は圃場が裸地となり,降雨による土砂流出の可能性が危惧される。作物被覆が降雨の衝撃力の減殺と雨量の量的遮断により土壌流亡量を著しく抑制することがこれまでの研究で明らかにされていることから,作物を用いた地表の被覆により土砂流出を抑制する技術の開発を目的に本研究を実施した。さとうきびの8,9月植え付けでは,単位面積当たりの収益性の向上を目的に,さとうきびの畦間にタマネギやサヤインゲン等の園芸作物の間作を実施する技術を開発している。間作を実施することによりさとうきびの畦間は被覆されるこ...
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Veröffentlicht in: | 九州沖縄農業研究センター研究資料 = Memoirs of the National Agricultural Research Center for Kyushu Okinawa Region 2009-03 (93), p.29-35 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | さとうきびの秋収穫栽培においては8,9月を植え付け適期としており,秋収穫栽培あるいは慣行栽培の収穫後,植え付け迄の期間は圃場が裸地となり,降雨による土砂流出の可能性が危惧される。作物被覆が降雨の衝撃力の減殺と雨量の量的遮断により土壌流亡量を著しく抑制することがこれまでの研究で明らかにされていることから,作物を用いた地表の被覆により土砂流出を抑制する技術の開発を目的に本研究を実施した。さとうきびの8,9月植え付けでは,単位面積当たりの収益性の向上を目的に,さとうきびの畦間にタマネギやサヤインゲン等の園芸作物の間作を実施する技術を開発している。間作を実施することによりさとうきびの畦間は被覆されることから,被覆作物はさとうきびの植え付けまでに収穫可能な裏作作物について検討した。間作を実施しない場合には,さとうきびが覆うまで畦間を被覆する必要があることから,さとうきび植え付け後も畦間に残すことのできる緑肥作物について,作物の選定と栽培技術の確立を目指した。被度については,70%以上の植生によって40mm/時間の降雨でも土砂流出はほとんど起こらないことが報告されていることから,被度70%以上を目標とした。カンショは被度70%以上になるのは定植後60日以降とやや遅いが,植付けが4月上旬と早いため梅雨時期,台風による多雨時期に被度が高く,土砂流出防止効果が期待できることが明らかとなった。また,8月上旬収穫の場合,焼酎用として1kgあたり65円の価格で取引されており,収益性も見込めた。ソバは3月播種-5月収穫は子実収量が優れる栽培体系であるが,梅雨期やそれ以降の多雨の発生する時期には収穫を終えており,ソバ収穫後の緑肥作物との組み合わせが必要と考えられた。緑肥作物のマリーゴールド,ダイカンドラ,センチピードグラスは,ともに作業適性に問題はなかったが,ダイカンドラ,センチピードグラスは被覆が遅く,マリーゴールドが最も優れていた。マリーゴールド栽培区のさとうきび収量も緑肥無栽培区と同程度であり,さとうきび生育への影響も認められなかった。マリーゴールドはソバ収穫後の被覆作物としても利用できると考えられた。 |
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ISSN: | 1346-9185 |