寒冷地向け大麦品種「シンジュボシ」の育成とその特性

「シンジュボシ」は、1992年5月に東北農業試験場(現・東北農業研究センター)において、渦性、早生・短強稈で炊飯白度の高い「東北皮30号」を母とし、並性で極早生・短強稈の「シュンライ」を父として人工交配を行い、以降集団育種法で選抜・固定を図ってきたものである。2003年2月に皮麦農林36号「シンジュボシ」として命名登録を行った。標準品種の「ミノリムギ」に比較して次のような特徴を持つ。播性はIVで、出穂期、成熟期ともに2日程度早い早生の晩である。稈長は同程度で、穂長はやや短く、穂数は少ない。耐寒雪性と耐倒伏性は同程度のやや強で、耐凍上性は同程度の強である。穂発芽性はやや難である。小さび病、うどん...

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Veröffentlicht in:東北農業研究センター研究報告 2009-03 (110), p.67-82
Hauptverfasser: 吉川, 亮, 中村, 和弘, 伊藤, 美環子, 伊藤, 裕之, 佐藤, 暁子, 伊藤, 誠治, 八田, 浩一, 中村, 洋, 星野, 次汪
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「シンジュボシ」は、1992年5月に東北農業試験場(現・東北農業研究センター)において、渦性、早生・短強稈で炊飯白度の高い「東北皮30号」を母とし、並性で極早生・短強稈の「シュンライ」を父として人工交配を行い、以降集団育種法で選抜・固定を図ってきたものである。2003年2月に皮麦農林36号「シンジュボシ」として命名登録を行った。標準品種の「ミノリムギ」に比較して次のような特徴を持つ。播性はIVで、出穂期、成熟期ともに2日程度早い早生の晩である。稈長は同程度で、穂長はやや短く、穂数は少ない。耐寒雪性と耐倒伏性は同程度のやや強で、耐凍上性は同程度の強である。穂発芽性はやや難である。小さび病、うどんこ病、赤かび病は中で同程度である。収量はやや少ない。千粒重は大きく、リットル重はやや大きい。外観品質は優れる。55%搗精時間はやや短く、55%搗精白度が高く、精麦適性は優れる。精麦のポリフェノール含量はやや低く、炊飯後の褐変が少なくて炊飯白度は高く、炊飯適性が優れる。本品種の栽培適地は、東北・北陸地域の根雪期間80日以下の平坦地である。
ISSN:1347-3379
DOI:10.24514/00001228