製パン適性が高く、早生で耐寒雪性が強い小麦新品種「ゆきちから」の育成

「ゆきちから」は、1976年5月に「東北141号」を母とし、「さび系23号」を父として人工交配を行い、以後系統育種法で選抜・固定を図って育成されたパン用新品種である。2002年12月に小麦農林157号「ゆきちから」として命名登録を行った。パン用品種の「コユキコムギ」に比較して、出穂期で5日、成熟期で2日早い、早生種である。稈長と穂長はやや長く、穂数は多い。耐寒雪性と耐倒伏性は強く、穂発芽性は同程度の中である。赤さび病、うどんこ病および縞萎縮病のいずれにも強い。赤かび病には同程度でやや弱である。子実重はやや少ない。外観品質は優れ、硬軟質性は同じ硬質である。製粉歩留はやや低いが、粉の白さ、明るさと...

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Veröffentlicht in:東北農業研究センター研究報告 2009-03 (110), p.17-44
Hauptverfasser: 吉川, 亮, 中村, 和弘, 伊藤, 美環子, 伊藤, 裕之, 星野, 次汪, 伊藤, 誠治, 八田, 浩一, 田野崎, 眞吾, 谷口, 義則, 佐藤, 暁子, 中村, 洋, 藤原, 秀雄, 上田, 邦彦, 北原, 操一, 中島, 秀治, 後藤, 虎男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「ゆきちから」は、1976年5月に「東北141号」を母とし、「さび系23号」を父として人工交配を行い、以後系統育種法で選抜・固定を図って育成されたパン用新品種である。2002年12月に小麦農林157号「ゆきちから」として命名登録を行った。パン用品種の「コユキコムギ」に比較して、出穂期で5日、成熟期で2日早い、早生種である。稈長と穂長はやや長く、穂数は多い。耐寒雪性と耐倒伏性は強く、穂発芽性は同程度の中である。赤さび病、うどんこ病および縞萎縮病のいずれにも強い。赤かび病には同程度でやや弱である。子実重はやや少ない。外観品質は優れ、硬軟質性は同じ硬質である。製粉歩留はやや低いが、粉の白さ、明るさとも同程度である。粉の蛋白含量は同程度かやや高い。生地の伸長抵抗、伸長度ともにやや大きく、アミログラムの最高粘度はやや高い。製パン適性は高く、製パン法は中種生地法の方がストレート法より適している。また、中華めん適性はめん色相が優れる。栽培適地は根雪期間110日以下の寒冷地平坦地である。2008年10月現在、東北地域の秋田県を除く各県で奨励品種等に採用されている。
ISSN:1347-3379
DOI:10.24514/00001226