異なる卵核胞期のブタ卵母細胞における細胞骨格とミトコンドリアの分布
減数分裂成熟能をもつ卵母細胞の細胞学的特徴を明らかにするために、小卵胞(直径1-2mm)ならびに大卵胞(3-6mm)から回収されたブタ卵母細胞を比較した。発育卵胞卵と閉鎖卵胞卵の細胞学的特徴を区別するために、卵丘細胞をもたない卵も検討した。細胞骨格ならびにミトコンドリアを蛍光染色して、それらの分布を卵核胞の形態と関連づけながら観察した。大卵胞由来の卵より小卵胞卵由来の卵は小さく(107.2±0.6μm vs. 116.9±0.7μm、p<0.05)、成熟率も低かった(9 vs. 87%、p<0.01)。また、大卵胞区に比べ小卵胞区でGV0期卵が多かった(67 vs. 9%、p<0.01)。小卵...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Journal of mammalian ova research 2008-10, Vol.25 (3), p.177-183 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 減数分裂成熟能をもつ卵母細胞の細胞学的特徴を明らかにするために、小卵胞(直径1-2mm)ならびに大卵胞(3-6mm)から回収されたブタ卵母細胞を比較した。発育卵胞卵と閉鎖卵胞卵の細胞学的特徴を区別するために、卵丘細胞をもたない卵も検討した。細胞骨格ならびにミトコンドリアを蛍光染色して、それらの分布を卵核胞の形態と関連づけながら観察した。大卵胞由来の卵より小卵胞卵由来の卵は小さく(107.2±0.6μm vs. 116.9±0.7μm、p<0.05)、成熟率も低かった(9 vs. 87%、p<0.01)。また、大卵胞区に比べ小卵胞区でGV0期卵が多かった(67 vs. 9%、p<0.01)。小卵胞由来のほとんどのGV0期卵では細胞質の微小管と表層のマイクロフィラメントが形成途上であった。対照的に、大卵胞から回収されたGVI期以降の卵のほとんどが細胞質全体に均一な繊維性の微小管とマイクロフィラメントの分布を示した。GVII期以降に進行した小卵胞由来の卵母細胞では、ミトコンドリアの分布密度と染色性が低下していた。これらは採卵時に卵丘細胞をもたない卵母細胞における所見と同様であった。以上から、小卵胞由来のGV0期卵の大部分は細胞質の細胞骨格構造が形成中のため減数分裂を完了させる能力がまだ十分でないこと、また細胞骨格とミトコンドリアの密度が低く、かつGV期の進行した卵母細胞は閉鎖卵胞由来の卵である可能性が示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 1341-7738 |