低カドミウム汚染圃場におけるイネを用いた土壌浄化
Cd低汚染土壌(腐植質黒ボクグライ土)において2004〜2006年の3年間に水稲6品種を用いた土壌浄化(ファイトレメディエーション)を試みた.また,2007年には,浄化用水稲品種の栽培跡地にコシヒカリを一般的な水管理下で栽培することにより浄化効果の検証を行い,以下の結果を得た.1)最も地上部Cd吸収量の多かった品種はIR8で,3年間の連続栽培により合計158g ha^のCdを吸収し,作土層の0.1mol L^塩酸抽出Cd濃度は0.48mg kg^から0.33mg kg^に低下し,土壌のCd濃度は全国平均と同等レベルまで低下した.2)Cd高吸収水稲品種栽培後に作付したコシヒカリの玄米Cd濃度は,...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2009/04/05, Vol.80(2), pp.116-122 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | Cd低汚染土壌(腐植質黒ボクグライ土)において2004〜2006年の3年間に水稲6品種を用いた土壌浄化(ファイトレメディエーション)を試みた.また,2007年には,浄化用水稲品種の栽培跡地にコシヒカリを一般的な水管理下で栽培することにより浄化効果の検証を行い,以下の結果を得た.1)最も地上部Cd吸収量の多かった品種はIR8で,3年間の連続栽培により合計158g ha^のCdを吸収し,作土層の0.1mol L^塩酸抽出Cd濃度は0.48mg kg^から0.33mg kg^に低下し,土壌のCd濃度は全国平均と同等レベルまで低下した.2)Cd高吸収水稲品種栽培後に作付したコシヒカリの玄米Cd濃度は,Cd低吸収水稲品種栽培後のコシヒカリの玄米Cd濃度より低下した.3)浄化により土壌pHの低下や土壌肥沃度の低下が認められ,浄化後のコシヒカリはやや低収量となった.浄化後におけるこれらの土壌環境の変化は土壌Cd吸収の促進要因となるため,浄化後は堆肥や苦土石灰等の資材投入が必要であると考えられた.4)土壌中の形態別Cd濃度は浄化前と比較し,交換態画分が増加し,無機結合態および有機結合態画分が減少した.また,Cd吸収量の多いIR8は吸収の少ないクサユタカと比較し,無機結合態および有機結合態画分の由来の土壌Cd減少量が有意に多かった. |
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ISSN: | 0029-0610 2424-0583 |
DOI: | 10.20710/dojo.80.2_116 |