シバ型草地確立過程におけるシバ-ワラビ型草地の植生変化と刈取りの影響

放牧によるシバ草地化にあたっては,ワラビの繁茂が大きな障害となり,シバの定着・拡大が阻害される。刈払いによるワラビ防除を試みた結果,年1回(7月)の刈払い処理では,ワラビの自己回転率が比較的高く,安定しており,シバへの優占種の交代は緩慢であった。一方,年3回(5,7,9月)の強い刈払い処理を加えると,ワラビの自己回転率が大きく低下し,直接シバ,またはその他の植生を経由したシバ優占への確率が高まった。また,シバの自己回転率も高いために,シバ型草地の安定化が急速に進んだ。西南暖地の半自然草地や里山におけるシバ草地の維持管理に当たっては,シバ個体の定着段階の競争種(ワラビや灌木など)抑圧のために,造...

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Veröffentlicht in:Nippon Sōchi Gakkaishi 2008/10/15, Vol.54(3), pp.230-235
Hauptverfasser: 高橋, 佳孝, 井出, 保行, 小林, 英和, 早坂, 貴代史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:放牧によるシバ草地化にあたっては,ワラビの繁茂が大きな障害となり,シバの定着・拡大が阻害される。刈払いによるワラビ防除を試みた結果,年1回(7月)の刈払い処理では,ワラビの自己回転率が比較的高く,安定しており,シバへの優占種の交代は緩慢であった。一方,年3回(5,7,9月)の強い刈払い処理を加えると,ワラビの自己回転率が大きく低下し,直接シバ,またはその他の植生を経由したシバ優占への確率が高まった。また,シバの自己回転率も高いために,シバ型草地の安定化が急速に進んだ。西南暖地の半自然草地や里山におけるシバ草地の維持管理に当たっては,シバ個体の定着段階の競争種(ワラビや灌木など)抑圧のために,造成初期に強度の人為的管理を加えることが不可欠であると考えられる。
ISSN:0447-5933
2188-6555
DOI:10.14941/grass.54.230