局所耕うん・定植用全自動作業機の開発
本論文では,著者らが開発を行っている太陽電池駆動型農作業システムの圃場内作業車両に搭載する作業機に関して報告している.具体的には,このロボットシステムは,環境保全型の局所耕うん栽培法を実践することを前提にしていることから,市販のセル成型苗用移植機の移植機部を流用することにより,局所耕うんと定植を同時に実施する作業機の開発を行った. この開発した作業機について植付性能と消費電力に関する特性試験を行った.植付試験では,約96%の株の植付けを完全な無人運転で実施することができた.一方,この作業機の消費電力は1サイクルあたり約1kJであり,その3分の2が耕うん時に消費されることを把握できた. これらの...
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Veröffentlicht in: | 農作業研究 2008/09/25, Vol.43(3), pp.135-141 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本論文では,著者らが開発を行っている太陽電池駆動型農作業システムの圃場内作業車両に搭載する作業機に関して報告している.具体的には,このロボットシステムは,環境保全型の局所耕うん栽培法を実践することを前提にしていることから,市販のセル成型苗用移植機の移植機部を流用することにより,局所耕うんと定植を同時に実施する作業機の開発を行った. この開発した作業機について植付性能と消費電力に関する特性試験を行った.植付試験では,約96%の株の植付けを完全な無人運転で実施することができた.一方,この作業機の消費電力は1サイクルあたり約1kJであり,その3分の2が耕うん時に消費されることを把握できた. これらの結果より,作業機の基本性能の確認をしたものの,今後,全自動システムを構築するには,解決すべき課題があることが認識された.具体的には,苗のピックアップの成功失敗の判断機能,セルトレイ上の苗が未出芽でないかの判断機能,複雑な土壌環境が予想される雑草リビングマルチ下での局所耕うん器具の消費電力の計測などである. また,提案したシステムは栽培システムも含めて全自動化することによって,太陽光発電などの新たなエネルギ源を農作業システムに導入する可能性が示されたものと考えている.今後は制御車からの苗補給システムの開発について報告する予定である. 本研究の遂行には東京農業大学大学院学生寺田裕君の努力によるところが多いことを記し,ここに謝意を表します. また,本研究は,文部科学省オープンリサーチセンター事業(平成13年度~平成17年度)の助成を得て実施したものである. |
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ISSN: | 0389-1763 1883-2261 |
DOI: | 10.4035/jsfwr.43.135 |