伊勢いもの組織培養における多芽体およびマイクロチューバーの形成に及ぼす植物成長調節物質, 光条件および培地の影響

伊勢いもの茎頂および節切片を材料として, 固形および液体のMS培地による組織培養によって多芽体を作成し, それらを分割して増殖・成長させ, さらにマイクロチューバーを作出した. 茎頂外植片はベンジルアデニン(BA)0.1~2 mg L-1とナフタレン酢酸(NAA)0.1~0.5 mg L-1, 節切片はBA 0.1~5 mg L-1の添加で多芽体を分化した. 多芽体はBAのみ5mg L-1を添加した培地に移植すると, そのまま維持し続けることができ, また, 植物成長調節物質無添加の培地に移植すると, 多芽体からシュートが伸長した. ある程度伸長したシュートにジャスモン酸(JA)を添加すると,...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 2008, Vol.77(4), pp.481-488
Hauptverfasser: 酒井, 隆成, 今井, 勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:伊勢いもの茎頂および節切片を材料として, 固形および液体のMS培地による組織培養によって多芽体を作成し, それらを分割して増殖・成長させ, さらにマイクロチューバーを作出した. 茎頂外植片はベンジルアデニン(BA)0.1~2 mg L-1とナフタレン酢酸(NAA)0.1~0.5 mg L-1, 節切片はBA 0.1~5 mg L-1の添加で多芽体を分化した. 多芽体はBAのみ5mg L-1を添加した培地に移植すると, そのまま維持し続けることができ, また, 植物成長調節物質無添加の培地に移植すると, 多芽体からシュートが伸長した. ある程度伸長したシュートにジャスモン酸(JA)を添加すると, マイクロチューバーは速やかに形成されたが, 無添加でも時間が経つと形成された. その形成数は暗黒下でより多く, 肥大は光照射下でより良好であった. 得られた生体重120 mg以上のマイクロチューバーは, 8℃に保った冷蔵庫内で1ヶ月貯蔵した後, 通常の栽培に用いることができた.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.77.481