スギ人工林における冠雪害抵抗性の推定とその応用に関する研究

林木の冠雪害は多量の降雪が枝葉に付着・堆積し、その荷重によって林木が折損する代表的な気象災害の一つである。この被害の危険性は、北陸地方、とりわけ富山県の里山で高いことが指摘されている。この被害を防除・軽減するためには、間伐や枝打ちなどにより林木の冠雪害抵抗性を高めることが有効とされている。そのためには、冠雪害に対する林木の抵抗性を評価する指数が不可欠である。従来から形状比(樹高/胸高直径)が冠雪害抵抗性の指数として広く用いられてきたが、近年、冠雪害の発生の有無を形状比だけで説明することができないことが指摘されている。中谷(1991)は冠雪害の発生機構を力学的に解析し、単木の冠雪害抵抗性を評価す...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:富山県林業技術センター研究報告 2001-03 (14), p.1-77
1. Verfasser: 嘉戸, 昭夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:林木の冠雪害は多量の降雪が枝葉に付着・堆積し、その荷重によって林木が折損する代表的な気象災害の一つである。この被害の危険性は、北陸地方、とりわけ富山県の里山で高いことが指摘されている。この被害を防除・軽減するためには、間伐や枝打ちなどにより林木の冠雪害抵抗性を高めることが有効とされている。そのためには、冠雪害に対する林木の抵抗性を評価する指数が不可欠である。従来から形状比(樹高/胸高直径)が冠雪害抵抗性の指数として広く用いられてきたが、近年、冠雪害の発生の有無を形状比だけで説明することができないことが指摘されている。中谷(1991)は冠雪害の発生機構を力学的に解析し、単木の冠雪害抵抗性を評価する新しい指数を提案した。この指数は限界降雪量と呼ばれており、冠雪害が発生するときの降雪量を示すものである。しかし、この限界降雪量を求めるためには、冠雪荷重や林木の耐力に関する数多くの要因を測定する必要があり、その測定には多大な労力を要する。そこで、本研究では、(1)単木の樹高、胸高直径および林齢から限界降雪量を容易に推定できるように中谷の手法を改良し、(2)改良した限界降雪量の推定手法を用いて冠雪害に対する品種の選択、間伐および枝打ちの影響について検討するため、富山県内のスギ人工林を対象に、被害調査、冠雪荷重実験、林木の耐力実験、施業試験を実施した。
ISSN:0915-0013