無機蛍光体による木材の表面装飾法について

内装材など木質建材の色彩表現は、金属、窯業タイル、或いはプラスチック製品に比べ、カラフルさ、華やかさに欠けている。そこで、ブラウン管、蛍光灯等に多用され、色彩が豊かな無機蛍光体を各種木材表面に処理し、その装飾性および耐光性の評価から、蛍光木材の可能性を検討した。その結果、次のことが明らかになった。木材表面に擦り込まれた無機蛍光体は、各樹種材面の仮道管や道管開孔部に選択的に充填され、ブラック・ライトの照射により鮮やかな蛍光を発した。特に、早晩材の密度差が大きいスギ、シベリア産カラマツ、ラジアータパイン等や道管径の大きい環孔材のコナラ、ケヤキ、タモは、樹種固有の木目模様が蛍光によって強調され、装飾...

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Veröffentlicht in:富山県林業技術センター研究報告 2000-03 (13), p.114-119
Hauptverfasser: 水本, 克夫, 藤澤, 泰土, 塚本, 英子, 高野, 了一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:内装材など木質建材の色彩表現は、金属、窯業タイル、或いはプラスチック製品に比べ、カラフルさ、華やかさに欠けている。そこで、ブラウン管、蛍光灯等に多用され、色彩が豊かな無機蛍光体を各種木材表面に処理し、その装飾性および耐光性の評価から、蛍光木材の可能性を検討した。その結果、次のことが明らかになった。木材表面に擦り込まれた無機蛍光体は、各樹種材面の仮道管や道管開孔部に選択的に充填され、ブラック・ライトの照射により鮮やかな蛍光を発した。特に、早晩材の密度差が大きいスギ、シベリア産カラマツ、ラジアータパイン等や道管径の大きい環孔材のコナラ、ケヤキ、タモは、樹種固有の木目模様が蛍光によって強調され、装飾性に優れた蛍光木材となることが分かった。この蛍光木材は、高圧水銀ランプによる長時間の耐光操作後も初期の蛍光輝度をほぼ維持し、蛍光色度は変わらず、耐光性能に優れていた。さらに、可視光域での増白効果および光変色防止効果のあることが明らかになり、本方法による蛍光木材の実用性は高いと判断された。
ISSN:0915-0013