東京湾における小型えび類の出現状況
水産技術センターでは、東京湾の底生生物相を把握し、資源管理の基礎資料とするため、1990年度から調査用底びき網を使用した生物相モニタリング調査を実施してきた。ここでは、同調査において採集された生物のうち、小型えび類の主要な出現種であるサルエビ及びアカエビの出現状況を整理した。サルエビやアカエビなどクルマエビ科の小型えび類は、瀬戸内海や紀伊水道、土佐湾などでは、小型底びき網漁業の重要な漁獲対象資源であり、生態や分布に関する研究事例も多い。しかし、東京湾の小型底びき網漁業では、これら小型えび類を主対象にした操業はほとんど行われず、混獲物としての水揚げはあるようだが、その実態を調査した事例は見あたら...
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Veröffentlicht in: | 神奈川県水産技術センター研究報告 2008-03 (3), p.45-48 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 水産技術センターでは、東京湾の底生生物相を把握し、資源管理の基礎資料とするため、1990年度から調査用底びき網を使用した生物相モニタリング調査を実施してきた。ここでは、同調査において採集された生物のうち、小型えび類の主要な出現種であるサルエビ及びアカエビの出現状況を整理した。サルエビやアカエビなどクルマエビ科の小型えび類は、瀬戸内海や紀伊水道、土佐湾などでは、小型底びき網漁業の重要な漁獲対象資源であり、生態や分布に関する研究事例も多い。しかし、東京湾の小型底びき網漁業では、これら小型えび類を主対象にした操業はほとんど行われず、混獲物としての水揚げはあるようだが、その実態を調査した事例は見あたらない。統計上「その他のえび類」として集計されるえび類は、主にシバエビであり、1999年末から2000年始めに大量発生した事例があるが、その後は資源が安定しないため、主たる漁獲対象とはなりえていない。このため、東京湾におけるこれら小型えび類の生態や分布についての知見は乏しく、その資源動向については明らかでない。しかし、これら小型えび類は、水産上重要な資源であるヒラメやかれい類、こち類、スズキなどの餌料生物であり、特に比較的出現量の多いサルエビは、その重要度も高いと推察される。そこで、東京湾の生物相の変動状況を検討する基礎資料として、小型えび類のうち主要2種の出現状況を報告する。本報告の内容は、平成19年度中央ブロック資源・海洋研究会(高知市)において発表した内容の一部に、若干追加の検討を加え整理したものである。 |
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ISSN: | 1880-8905 |