栽培管理法の違いがモモ‘紅清水’の赤肉果発生と果実発育に及ぼす影響
4年間にわたり,弱剪定・強摘蕾(弱剪定栽培)と強剪定・無摘蕾(慣行栽培)の異なる2つの栽培管理方法がモモ‘紅清水’の赤肉果発生と果実発育に及ぼす影響を調査した.栽培年次に関係なく,慣行栽培樹ではいずれの樹もほとんど赤肉果が発生しなかったのに対し,弱剪定栽培樹では赤肉果が多発した.弱剪定栽培樹の収量は慣行栽培樹よりも多かった.果実発育初期の果肉の窒素含量は,慣行栽培樹よりも弱剪定栽培樹で少なかった.弱剪定栽培樹と慣行栽培樹の枝と根における開花前後の炭水化物含量を比較したところ,前者では後者よりも発芽後の減少程度が大きかった.弱剪定栽培樹では慣行栽培樹よりも果実発育期間を通して果肉細胞径が大きく,...
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Veröffentlicht in: | Engeigaku kenkyuu 2008, Vol.7(3), pp.367-373 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 4年間にわたり,弱剪定・強摘蕾(弱剪定栽培)と強剪定・無摘蕾(慣行栽培)の異なる2つの栽培管理方法がモモ‘紅清水’の赤肉果発生と果実発育に及ぼす影響を調査した.栽培年次に関係なく,慣行栽培樹ではいずれの樹もほとんど赤肉果が発生しなかったのに対し,弱剪定栽培樹では赤肉果が多発した.弱剪定栽培樹の収量は慣行栽培樹よりも多かった.果実発育初期の果肉の窒素含量は,慣行栽培樹よりも弱剪定栽培樹で少なかった.弱剪定栽培樹と慣行栽培樹の枝と根における開花前後の炭水化物含量を比較したところ,前者では後者よりも発芽後の減少程度が大きかった.弱剪定栽培樹では慣行栽培樹よりも果実発育期間を通して果肉細胞径が大きく,また果実発育第3期の果実肥大が大きく,このため収穫時の果実重も前者で優れた.収穫果の糖度は,弱剪定栽培樹が慣行栽培樹よりも有意に高かった.新梢伸長は,弱剪定栽培樹では果実発育第2期初めにほぼ停止したのに対し,慣行栽培樹では果実発育第3期まで続いた.弱剪定栽培樹では果肉のアントシアニン含量が成熟直前から急増した.果肉の全フェノール含量は果実発育期間を通して弱剪定栽培樹が慣行栽培樹よりも多く,PAL活性も前者で高かった.これらの結果をもとに,モモの赤肉果発生と果実発育との関係を考察した. |
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ISSN: | 1347-2658 1880-3571 |
DOI: | 10.2503/hrj.7.367 |