御嶽山における密なチマキザサ林床をもつ亜高山帯針葉樹林の構造と動態
御嶽山南東面の密なチマキザサ林床をもつコメツガ、トウヒ、シラビソ、オオシラビソの混交した亜高山帯針葉樹林において、50m×50mの調査プロットを設置し、林分構造と8年間の動態を解析した。林冠層は隙間が多く、その面積比率は32%であった。シラビソとオオシラビソはL字型の胸高直径階分布を示し、コメツガとトウヒは一山型の林冠木集団とL字型の被陰木集団とが分離する分布を示した。コメツガとトウヒは根返りマウンドや根張り上で定着したもの、あるいはタコ足形態のものが多く、地表で定着したものはほとんどなかった。シラビソとオオシラビソは地表で定着したものが比較的多くみられたが、その割合はシラビソで15%、オオシ...
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Veröffentlicht in: | Shinrin Sōgō Kenkyūjo kenkyū hōkoku 2008-06, Vol.7 (2), p.81-89 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 御嶽山南東面の密なチマキザサ林床をもつコメツガ、トウヒ、シラビソ、オオシラビソの混交した亜高山帯針葉樹林において、50m×50mの調査プロットを設置し、林分構造と8年間の動態を解析した。林冠層は隙間が多く、その面積比率は32%であった。シラビソとオオシラビソはL字型の胸高直径階分布を示し、コメツガとトウヒは一山型の林冠木集団とL字型の被陰木集団とが分離する分布を示した。コメツガとトウヒは根返りマウンドや根張り上で定着したもの、あるいはタコ足形態のものが多く、地表で定着したものはほとんどなかった。シラビソとオオシラビソは地表で定着したものが比較的多くみられたが、その割合はシラビソで15%、オオシラビソで35%にすぎず、大半は根返りマウンド、根張り、岩の上に定着したもの、あるいはタコ足状形態のものであった。モミ属樹種の定着場所が地表以外の基質に偏ることは、密なチマキザサによる地表での定着阻害が林分構造に影響していることを示唆する。1998~2006年の林分全体の死亡率、加入率(胸高直径5cm以上)、胸高断面積の減少率、増加率はそれぞれ0.60%/年、1.44%/年、0.91%/年、0.96%/年であった。樹種別にみると、トウヒのみで死亡率・減少率が加入率・増加率を上回り、その他の樹種は逆の関係を示した。 |
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ISSN: | 0916-4405 |