北海道オホーツク海域に生息する魚介類における重金属蓄積量の検証
北海道のオホーツク海域に生息する魚介類における重金属の蓄積量について、重金属の主たる蓄積臓器である肝臓と可食部について分析を行い、オホーツク海における魚介類の重金属汚染状況を検証した。調査の対象は、オホーツク海域で採取した魚類を中心とした魚介類で、ヒ素(As)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、水銀(Hg)および鉛(Pb)について高周波発光分析法によって分析を行った。分析の結果、シロサケにおける鉛を除くすべての元素で可食部より肝臓に多く蓄積されていた。可食部においては、水銀における暫定的規制値0.4ppmを超えたものは無く、他の元素においてもこれまでの海洋生物の報告と同等もしくは低い値を示した...
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Veröffentlicht in: | Tokyo Nōgyō Daigaku nōgaku shūhō 2007-12, Vol.52 (3), p.141-146 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 北海道のオホーツク海域に生息する魚介類における重金属の蓄積量について、重金属の主たる蓄積臓器である肝臓と可食部について分析を行い、オホーツク海における魚介類の重金属汚染状況を検証した。調査の対象は、オホーツク海域で採取した魚類を中心とした魚介類で、ヒ素(As)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、水銀(Hg)および鉛(Pb)について高周波発光分析法によって分析を行った。分析の結果、シロサケにおける鉛を除くすべての元素で可食部より肝臓に多く蓄積されていた。可食部においては、水銀における暫定的規制値0.4ppmを超えたものは無く、他の元素においてもこれまでの海洋生物の報告と同等もしくは低い値を示した。また、肝臓における蓄積量もこれまでの報告に比べて明らかに低い値を示し、重金属による汚染は見られなかった。しかし、調査対象魚種のうち、比較的食物連鎖の上位であるギスカジカでは他の魚種よりも全般的に高い蓄積が認められ、オホーツク海域においても生物濃縮の進行が示唆された。これらの結果から、オホーツク海域の魚介類の重金属が人体へ与える影響は極めて低いことが示された。 |
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ISSN: | 0375-9202 |