乾燥地におけるシードペレットおよび保水剤の利用に関する研究

世界における乾燥地の総面積は約65億haであり、陸地面積の47%に達している。これら乾燥地の農業と砂漠化地域の植生回復に応用可能な技術を開発するためシードペレットと生分解性保水剤に関する基礎研究を行った。土壌分析の結果、砂漠土壌の砂分は96.42%であった。また、この土壌は塩基性で、有機物はほとんど含まれていなかった(pH9.03、N:0.01%、C:0.11%)。保水剤の走査型電子顕微鏡写真から、その表面に特徴的な微細構造が認められた。常温条件下で行ったシードペレットの発芽試験では、イタリアンミレット(Setaria italica)の発芽率に差はなかったが、人工気象室における発芽試験では発...

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Veröffentlicht in:九州東海大学農学部紀要 2008-03, Vol.27, p.9-14
Hauptverfasser: 本田, 知史, 北野, 尋美, 岡本, 智伸, 原, 敏夫, 椛田, 聖孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:世界における乾燥地の総面積は約65億haであり、陸地面積の47%に達している。これら乾燥地の農業と砂漠化地域の植生回復に応用可能な技術を開発するためシードペレットと生分解性保水剤に関する基礎研究を行った。土壌分析の結果、砂漠土壌の砂分は96.42%であった。また、この土壌は塩基性で、有機物はほとんど含まれていなかった(pH9.03、N:0.01%、C:0.11%)。保水剤の走査型電子顕微鏡写真から、その表面に特徴的な微細構造が認められた。常温条件下で行ったシードペレットの発芽試験では、イタリアンミレット(Setaria italica)の発芽率に差はなかったが、人工気象室における発芽試験では発芽率が大幅に低下した。しかし、納豆樹脂とキャッサバパルプを50:50の割合で混合し、2%添加したシードペレットの根長生長量は有意に高かった。したがって、生分解性保水剤の利用は砂漠化防止と植生回復の有効な手段となる可能性が示唆された。
ISSN:0286-8180