宮崎県北川の魚類相

宮崎県を流れる五ヶ瀬川水系北川の魚類相を明らかにすることを目的とし、2000年から2007年にかけて魚類相調査を行った。その結果、多くの希少種を含む52科140種の魚類が確認された。これまでに報告されている種を含めると、58科165種という結果になり、北川はこれまでに知られている日本本土の河川において、最も種多様性が高いことが明らかとなった。各種の生活環を8つのグループに分けところ、感潮域に依存度が高いと考えられる種の割合が高かった。北川感潮域の空間的な広さ、水辺・水中環境の多様さが感潮域を利用する魚類に多様な生息環境を提供し、北川感潮域の魚類の種多様性を支えているものと考えられた。一方で、純...

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Veröffentlicht in:九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 2008-02, Vol.63 (1), p.15-25
Hauptverfasser: 江口, 勝久, 中島, 淳, 西田, 高志, 乾, 隆帝, 中谷, 祐也, 鬼倉, 徳雄, 及川, 信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:宮崎県を流れる五ヶ瀬川水系北川の魚類相を明らかにすることを目的とし、2000年から2007年にかけて魚類相調査を行った。その結果、多くの希少種を含む52科140種の魚類が確認された。これまでに報告されている種を含めると、58科165種という結果になり、北川はこれまでに知られている日本本土の河川において、最も種多様性が高いことが明らかとなった。各種の生活環を8つのグループに分けところ、感潮域に依存度が高いと考えられる種の割合が高かった。北川感潮域の空間的な広さ、水辺・水中環境の多様さが感潮域を利用する魚類に多様な生息環境を提供し、北川感潮域の魚類の種多様性を支えているものと考えられた。一方で、純淡水魚の割合は低いということが明らかになった。また、黒潮の影響下にあるため、琉球列島やその南方に分布の中心を有するとされる南方系魚種が多く確認された。本報告は、これまでに知見の少ない宮崎県の河川魚類相解明に向けて大きな価値を持つものと考えられる。
ISSN:1347-0159