キクイモを原料とした機能性に富む加工食品の製造技術の開発
本研究では、キクイモの乾燥法および乾燥品から調製した粉末の性質、さらにその製品化について検討し、以下の知見を得た。1.キクイモの各種の乾燥法(通風乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥)を検討したところ、キクイモをスライスして、10℃程度の室温で1晩自然乾燥した後、80℃で6時間通風乾燥することにより、変色などを抑えた高品質の乾燥品が得られた。2.(1)キクイモ粉末をpH3.8の酸性溶液に溶解し、65℃20分間加熱したが、イヌリンはほとんど分解しなかった。(2)キクイモイヌリンは、酸性溶液中で室温保存すると徐々に分解したが、低温で保存することにより分解は抑制され、品質保持期間を延長できると考えられた。(3...
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Veröffentlicht in: | 富山県食品研究所研究報告 = Bulletin of Toyama Food Research Institute 2008-03 (6), p.15-23 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究では、キクイモの乾燥法および乾燥品から調製した粉末の性質、さらにその製品化について検討し、以下の知見を得た。1.キクイモの各種の乾燥法(通風乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥)を検討したところ、キクイモをスライスして、10℃程度の室温で1晩自然乾燥した後、80℃で6時間通風乾燥することにより、変色などを抑えた高品質の乾燥品が得られた。2.(1)キクイモ粉末をpH3.8の酸性溶液に溶解し、65℃20分間加熱したが、イヌリンはほとんど分解しなかった。(2)キクイモイヌリンは、酸性溶液中で室温保存すると徐々に分解したが、低温で保存することにより分解は抑制され、品質保持期間を延長できると考えられた。(3)キクイモ粉末を加熱する際、100℃以上で長時間加熱すると、変色とイヌリンの分解が起こった。3.血糖値が高め(100mg/dl以上)の被験者を対象に、キクイモ顆粒を1日9g、8週間投与する臨床試験を行ったが、血糖値低減効果は認められなかった。しかし、中性脂肪、総コレステロールについては、通常値が高めの場合、低減傾向が認められた。4.(1)キクイモ粉末を顆粒状食品に加工したところ、食物繊維16.3%、イヌリン40%の顆粒食品ができた。継続的に摂取することを考慮すると、1包の顆粒量は3g程度(イヌリン含量1.2g程度)と考えられた。(2)イヌリン含量3.2%のキクイモドリンクが試作できた。イヌリン含量を約4.8%以上に増加すると、沈殿が生じる傾向が認められた。 |
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ISSN: | 0919-6730 |