イヌの卵巣嚢胞における免疫組織化学的検索
109個のイヌ卵巣嚢胞(表面上皮下構造嚢胞57個、グラーフ卵胞嚢胞26個、卵巣網嚢胞12個、分類困難な嚢胞14個)の免疫組織化学的特徴を明らかにする目的で、嚢胞を内張りする細胞についてplacental alkaline phosphatase(PLAP)、S100、inhibin α、desmin、AE1/AE3に対する免疫染色を行った。表面上皮下構造嚢胞と卵巣網嚢胞は単層立方から円柱細胞で内張りされ、免疫染色ではいずれもdesmin、AE1/AE3に対し、大部分の嚢胞で陽性像を認めた。inhibin αに対しては全てで陰性であった。PLAP陽性像は表面上皮下構造嚢胞でのみ観察された。グラー...
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Veröffentlicht in: | Journal of veterinary medical science 2007-10, Vol.69 (10), p.1033-1037 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 109個のイヌ卵巣嚢胞(表面上皮下構造嚢胞57個、グラーフ卵胞嚢胞26個、卵巣網嚢胞12個、分類困難な嚢胞14個)の免疫組織化学的特徴を明らかにする目的で、嚢胞を内張りする細胞についてplacental alkaline phosphatase(PLAP)、S100、inhibin α、desmin、AE1/AE3に対する免疫染色を行った。表面上皮下構造嚢胞と卵巣網嚢胞は単層立方から円柱細胞で内張りされ、免疫染色ではいずれもdesmin、AE1/AE3に対し、大部分の嚢胞で陽性像を認めた。inhibin αに対しては全てで陰性であった。PLAP陽性像は表面上皮下構造嚢胞でのみ観察された。グラーフ卵胞嚢胞は顆粒膜細胞で内張りされ、免疫染色では全ての嚢胞でinhibin α陽性像を認めた。desmin、AE1/AE3に対しては全てで陰性であった。S100に対する免疫染色結果は様々であった。分類困難な嚢胞は大部分が単層扁平細胞で内張りされ、免疫染色ではAE1/AE3に対し全ての嚢胞で陽性像を認め、desminに対しては大部分で陽性像を認めた。inhibin αに対しては全てで陰性であった。PLAPに対しては陽性の細胞を含む嚢胞が存在した。今回の結果から表面上皮下構造嚢胞のマーカーとしてPLAPが有用であり、分類困難な嚢胞に表面上皮下構造嚢胞が含まれている可能性が示された。 |
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ISSN: | 0916-7250 |