簡易呼吸測定装置による家畜ふん堆肥の腐熟判定
家畜ふん堆肥の呼吸量を測定する簡易な装置を作成し、腐熟判定への利用を試みた。10mlメスピペットと100ml試験管を接続し、堆肥と、二酸化炭素吸収剤(水酸化ナトリウム)を試験管内に入れ、30℃で培養した。メスピペットの先端を浸水させ、進入する水の量から呼吸量と呼吸速度を求めた。堆肥は、風乾微粉末を培養直前に加水して用いた。牛、鶏ふん堆肥では、吸水力の60%量を加水すると呼吸が活発になり、1昼夜で呼吸速度はピークをむかえた。しかし豚ぷん堆肥では、ピペット内に水が進入せず、利用は懸念された。急速発酵堆肥では、牛、鶏ふん共、呼吸速度は30時間をすぎても0.3(ml/g/h)を上回ったが、流通堆肥(牛...
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Veröffentlicht in: | 奈良県畜産技術センター研究報告 2002-03 (28), p.80-84 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 家畜ふん堆肥の呼吸量を測定する簡易な装置を作成し、腐熟判定への利用を試みた。10mlメスピペットと100ml試験管を接続し、堆肥と、二酸化炭素吸収剤(水酸化ナトリウム)を試験管内に入れ、30℃で培養した。メスピペットの先端を浸水させ、進入する水の量から呼吸量と呼吸速度を求めた。堆肥は、風乾微粉末を培養直前に加水して用いた。牛、鶏ふん堆肥では、吸水力の60%量を加水すると呼吸が活発になり、1昼夜で呼吸速度はピークをむかえた。しかし豚ぷん堆肥では、ピペット内に水が進入せず、利用は懸念された。急速発酵堆肥では、牛、鶏ふん共、呼吸速度は30時間をすぎても0.3(ml/g/h)を上回ったが、流通堆肥(牛2点、鶏1点)では、20時間以内に0.2(ml/g/h)以下に安定した。堆積発酵にて製造中の堆肥は、徐々に呼吸速度が低下し、10週後には開始時の40%以下になった。流通堆肥(牛20点、鶏11点)の1昼夜呼吸速度は、牛では、平均0.17(ml/g/h)、鶏では、平均0.37(ml/g/h)であった。また、これらの呼吸速度とコマツナの根長指数との相関は、y=0.7505e(-0.0307x)(r=-0.81、P<0.001、n=31)となり、根の生育が悪いものは呼吸が活発で、生育の良いものは呼吸が鈍い傾向となった。このように安価で簡易な装置を自作することで、1昼夜に多検体の呼吸測定が可能であり、牛、鶏ふん堆肥の腐熟判定のスクリーニング検査として有効であることが示唆された。 |
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ISSN: | 1348-5083 |