琵琶湖固有種アナンデールヨコエビ(Jesogammarus annandalei)の代謝および水平分布に与える水温の影響
琵琶湖固有種であるアナンデールヨコエビ(Jesogammarus annandalei)について、8、15、20および25℃における生残率、呼吸速度、アンモニアおよびリン排出速度を測定し、その水平分布に与える水温の影響について考察した。本種は、年一世代で、日中7〜8℃の湖底に生息し、夜間温度躍層下部まで上昇する。飼育水温を8〜15℃に変化させても生残率に影響はみられないが、20あるいは25℃まで上昇させると1日以内に50%が死亡した。呼吸速度はいずれの季節でも水温上昇に伴って増加する傾向を示し、また1〜3月と10月に比べて5〜6月に高かった。これは成長に伴う増加を示しており、呼吸速度(R)は体...
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Veröffentlicht in: | Rikusuigaku zasshi 2007-12, Vol.68 (3), p.375-389 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 琵琶湖固有種であるアナンデールヨコエビ(Jesogammarus annandalei)について、8、15、20および25℃における生残率、呼吸速度、アンモニアおよびリン排出速度を測定し、その水平分布に与える水温の影響について考察した。本種は、年一世代で、日中7〜8℃の湖底に生息し、夜間温度躍層下部まで上昇する。飼育水温を8〜15℃に変化させても生残率に影響はみられないが、20あるいは25℃まで上昇させると1日以内に50%が死亡した。呼吸速度はいずれの季節でも水温上昇に伴って増加する傾向を示し、また1〜3月と10月に比べて5〜6月に高かった。これは成長に伴う増加を示しており、呼吸速度(R)は体乾燥重量(W)と水温(T)で、logR=0.695・logW+0.03・T-0.34と表すことができた。一方、アンモニアおよびリン排出速度は5〜6月には水温上昇に伴って増加傾向を示したものの、1〜3月と10月には温度に伴う増加はみられず、20℃を上回る高水温ではむしろ低下する傾向を示し、その影響は若齢個体で顕著だった。琵琶湖北湖における本種の水平分布は、湖底水温が周年を通して10〜15℃以下の地点に偏っていた。本研究は、このことをよく説明し、水温が本種の水平および鉛直分布を決定する重要な環境要因の一つであることを示唆した。 |
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ISSN: | 0021-5104 |