黒毛和種牛における生体内卵子の効率的採取および体外受精成績の向上に関する検討
経腟採卵(OPU)におけるウシ生体内卵子の効率的採取および体外受精(IVF)成績の向上を目的に、大卵胞の存在がOPU-IVF成績に及ぼす影響を調査するとともに、卵胞波をコントロールした黒毛和種経産牛を用いてOPUを実施する時期を検討した。OPU時の長径8mm以上の卵胞(大卵胞)の有無と卵丘細胞‐卵子複合体(COC)採取成績およびIVF成績について調査した結果、大卵胞の観察されない個体群(大卵胞無、n=6)でOPU1回あたりの平均採取COC数および平均発生胚盤胞数は29.2個および6.8個であったのに対し、大卵胞を有する個体群(大卵胞有、n=32)では20.9個および3.9個であった。さらに、プ...
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Veröffentlicht in: | 島根県立畜産技術センター研究報告 2008-01 (40), p.1-5 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 経腟採卵(OPU)におけるウシ生体内卵子の効率的採取および体外受精(IVF)成績の向上を目的に、大卵胞の存在がOPU-IVF成績に及ぼす影響を調査するとともに、卵胞波をコントロールした黒毛和種経産牛を用いてOPUを実施する時期を検討した。OPU時の長径8mm以上の卵胞(大卵胞)の有無と卵丘細胞‐卵子複合体(COC)採取成績およびIVF成績について調査した結果、大卵胞の観察されない個体群(大卵胞無、n=6)でOPU1回あたりの平均採取COC数および平均発生胚盤胞数は29.2個および6.8個であったのに対し、大卵胞を有する個体群(大卵胞有、n=32)では20.9個および3.9個であった。さらに、プロスタグランジンF2αおよび性腺刺激ホルモン放出ホルモン製剤(Gn-RH)を用いた発情排卵誘起処理により新たな卵胞波を生じさせた供卵牛(n=9)を供試して、OPU時期の検討を試みた。Gn-RH処理(Day0)後3日目(Day3区)および5日目(Day5区)にOPUを実施した結果、OPU1回あたりの平均採取COC数および平均発生胚盤胞数は、Day3区が17.9個および2.0個、Day5区が17.0個および2.3個、無処理の対照区が15.7個および2.6個で、各区の間で差は認められなかった。以上のことから、OPU時の大卵胞の存在はOPU-IVF成績にマイナスの影響を与えている可能性が推察されたが、発情排卵誘起処理を用いた卵胞波コントロール後の2つのOPU時期(Day3およびDay5)では、いずれもCOC採取やIVFによる胚盤胞発生への明らかな向上効果は認められなかった。 |
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ISSN: | 1882-1030 |