普通期栽培における株間の拡大が生育・収量に与える影響 —育苗・苗運搬労力軽減のための水稲疎植栽培

水稲の普通期栽培において,条間を30cmとした場合の株間拡大が生育・収量に及ぼす影響を,移植時期別に検討し,育苗・苗運搬労力削減の可能性について検討した.その結果は以下のとおりである. 1)いずれの品種,移植時期においても,株間の拡大によって1株当りの茎数は増大するが,単位面積当りの茎数は減少する傾向があった. 2)株間の拡大によって単位面積当りの穂数は減少するが,穂長が大きくなり,1穂当りの籾数が増加する傾向があった. 3)収量は,「こいごころ」は6月初め,中頃移植では各々株間18cm~45cm, 18cm~36cm, 「ひめのまい」における6月初め~末の移植は株間18cm~36cm,「ヒノ...

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Veröffentlicht in:農作業研究 2008/03/25, Vol.43(1), pp.21-27
Hauptverfasser: 川崎, 哲郎, 森重, 陽子, 杉山, 英冶, 木村, 浩, 杉本, 秀樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:水稲の普通期栽培において,条間を30cmとした場合の株間拡大が生育・収量に及ぼす影響を,移植時期別に検討し,育苗・苗運搬労力削減の可能性について検討した.その結果は以下のとおりである. 1)いずれの品種,移植時期においても,株間の拡大によって1株当りの茎数は増大するが,単位面積当りの茎数は減少する傾向があった. 2)株間の拡大によって単位面積当りの穂数は減少するが,穂長が大きくなり,1穂当りの籾数が増加する傾向があった. 3)収量は,「こいごころ」は6月初め,中頃移植では各々株間18cm~45cm, 18cm~36cm, 「ひめのまい」における6月初め~末の移植は株間18cm~36cm,「ヒノヒカリ」は6月初め,中頃移植では株間18cm~36cmの範囲で大差なかった. 4)これらの結果から,「こいごころ」,「ヒノヒカリ」を6月初め~中頃,「ひめのまい」を6月初め~末の間に移植する普通期栽培では,苗箱使用量を50%以下に削減でき,育苗・苗運搬作業を大幅に軽減できるものと考えられた.
ISSN:0389-1763
1883-2261
DOI:10.4035/jsfwr.43.21