中国東北部の森林資源の利用と開発に関する歴史的研究(I) : 集中的計画経済前半期(1949~1962)の木材増産とその促進要因について

新中国建国後,経済の立て直しの必要に迫られた中国政府は,有用な資源として東北部の森林資源に注目し,全面的な開発を展開した。本論は中国の戦後の集中的計画経済期の前半部分(1949〜1962年)に焦点をあて,東北部の急速に進んだ森林資源の利用・開発の実態,およびその促進要因を明らかにし,この期の森林利用の時代的性格を明らかにすることを目的とした。その際,当時の国の林業政策,生産技術,木材生産量・蓄積量の変化および森林経営を可能にした条件(諸施設,労働力などの実態)などを検討した。その結果,森林工業は年々増大する国家指令の木材生産計画量を達成するために,機械設備の推進,労働力の役入および皆伐作業の普...

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Veröffentlicht in:Japanese Journal Of Forest Planning 2007/12/31, Vol.41(2), pp.187-199
Hauptverfasser: 王, 賀春, 植木, 達人, 中島, 耕平, 王, 栓奎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:新中国建国後,経済の立て直しの必要に迫られた中国政府は,有用な資源として東北部の森林資源に注目し,全面的な開発を展開した。本論は中国の戦後の集中的計画経済期の前半部分(1949〜1962年)に焦点をあて,東北部の急速に進んだ森林資源の利用・開発の実態,およびその促進要因を明らかにし,この期の森林利用の時代的性格を明らかにすることを目的とした。その際,当時の国の林業政策,生産技術,木材生産量・蓄積量の変化および森林経営を可能にした条件(諸施設,労働力などの実態)などを検討した。その結果,森林工業は年々増大する国家指令の木材生産計画量を達成するために,機械設備の推進,労働力の役入および皆伐作業の普及などを進め,成熟材の大量生産と労働生産性の向上を果した。よって社会主義集中計画経済前期における森林開発は,高度成長を目指す国家建設の推進基盤としてその資源供給の源泉的役割を全面的に担い,その帰結として,木材の収穫を最優先する資源略奪的な性格を色濃く帯びていた開発経営であったことを明らかにした。
ISSN:0917-2017
2189-8308
DOI:10.20659/jjfp.41.2_187