食品製造副産物を主体とする発酵飼料を用いた黒毛和種去勢牛の低コスト肥育

肉用牛肥育における飼料コスト削減を図るため、食品製造副産物類を主体とする発酵飼料を調製し、黒毛和種去勢牛に給与して肥育試験を実施しその有効性を検討した。発酵飼料は、小麦ダスト、コーヒー豆薄皮ペレット、トウフ粕、ビール粕、コーンスチープリカー等の食品製造副産物を主体とし、これに配合飼料と圧片トウモロコシを加え、水分45%程度になるように水を加えて混合し、ポリ袋に詰めて密閉貯蔵することで調製した。発酵飼料中の有機酸は乳酸が主体で、pH3.9、Vスコアー94.5と発酵品質が優れ、肥育牛の嗜好性も良好であった。黒毛和種去勢牛8頭を用いた肥育試験は、粗飼料として稲わらとモミガラ(乾物比で1:1)を用い、...

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Veröffentlicht in:千葉県畜産総合研究センター研究報告 2007-11 (7), p.1-7
Hauptverfasser: 石崎, 重信, 山田, 真希夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:肉用牛肥育における飼料コスト削減を図るため、食品製造副産物類を主体とする発酵飼料を調製し、黒毛和種去勢牛に給与して肥育試験を実施しその有効性を検討した。発酵飼料は、小麦ダスト、コーヒー豆薄皮ペレット、トウフ粕、ビール粕、コーンスチープリカー等の食品製造副産物を主体とし、これに配合飼料と圧片トウモロコシを加え、水分45%程度になるように水を加えて混合し、ポリ袋に詰めて密閉貯蔵することで調製した。発酵飼料中の有機酸は乳酸が主体で、pH3.9、Vスコアー94.5と発酵品質が優れ、肥育牛の嗜好性も良好であった。黒毛和種去勢牛8頭を用いた肥育試験は、粗飼料として稲わらとモミガラ(乾物比で1:1)を用い、濃厚飼料と粗飼料の給与比率を前期75:25、中期85:15、後期90:10とした。試験区は、濃厚飼料として市販配合飼料を給与する「対照区」と、発酵飼料を給与する「発酵区」とし、各区4頭ずつ供試して以下の結果を得た。1.飼料乾物摂取量は、対照区7.7kg/日、発酵区8.1kg/日と発酵区は摂取量が多かったが、消化率が対照区の9割程度と低かったため、日増体量は対照区の0.77kg/日に比べて発酵区0.65kg/日とやや劣った。2.肉質等級は発酵区が優れ、BMS No.の平均値は対照区4.8、発酵区8.0、枝肉単価は対照区1,735円/kg、発酵区1,984円/kgであった。3.一頭当りの肥育に要した飼料費は対照区213,683円、発酵区124,911円と発酵飼料を用いることにより41.5%低減することができた。
ISSN:1346-9746