食料および非食料輸入の需要体系分析
戦後の日本では、経済成長による国民所得の増加によって食生活が変化した。日本における食生活の変化は、主に(1)食生活の洋風化、あるいは高級化と言われる食事メニューの変化と、それにやや遅れて進展した(2)食の外部化の2つに整理される。このうち、(1)は炭水化物の摂取割合の低下と脂質の摂取割合の増加、品目別ではコメ消費の減少と畜産物、油脂類消費の増加として特徴づけられる。また、(2)は調理済食品、加工食品、外食消費の増加となって現れている。(1)、(2)ともに、食料自給率を低下させる要因として考えられる。本稿の実証課題は次の2点である。(1)日本の食料および非食料需要を国産品と輸入品とに分けた場合、...
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Veröffentlicht in: | Journal of Rural Problems 2007/06/25, Vol.43(1), pp.146-150 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 戦後の日本では、経済成長による国民所得の増加によって食生活が変化した。日本における食生活の変化は、主に(1)食生活の洋風化、あるいは高級化と言われる食事メニューの変化と、それにやや遅れて進展した(2)食の外部化の2つに整理される。このうち、(1)は炭水化物の摂取割合の低下と脂質の摂取割合の増加、品目別ではコメ消費の減少と畜産物、油脂類消費の増加として特徴づけられる。また、(2)は調理済食品、加工食品、外食消費の増加となって現れている。(1)、(2)ともに、食料自給率を低下させる要因として考えられる。本稿の実証課題は次の2点である。(1)日本の食料および非食料需要を国産品と輸入品とに分けた場合、4品目(国産食料、輸入食料、国産非食料、輸入非食料)の需要にどのような関係が観察されるか。(2)健康志向など、価格や所得要因以外で上記4品目の消費量に影響をおよぼす要因を、無差別曲線の曲率変化に起因する「消費者志向」として捉え場合、日本の消費者は国産食料に対する正の志向を有しているか。同時に、本稿の理論的課題は次の2点である。(1)需要関数が満たすべき理論的条件を満たすように計測すること。(2)志向バイアスについて、バイアス指標が時間について変化するよう拡張すること。このうち(1)については、従来、輸入需要の計測は貿易上の交易条件として輸入価格と国内卸売価格との相対価格を説明変数とする単一方程式とアド・ホックに定式化される場合が多く、したがって需要関数が満たすべき理論条件と整合していなかった。この問題を改善することである。 |
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ISSN: | 0388-8525 2185-9973 |
DOI: | 10.7310/arfe1965.43.146 |