低温土中出芽性に優れた在来品種「阿波赤米」の育種利用

イネの低温土中出芽性の品種間変異を評価するため,鳩胸状態に発芽を揃えた種子を用いて温度及び播種深度を検討した.阿波赤米,富山在来赤,Arozz da terra,ベニロマン,Khao mak fay,Khao louk kheuy,Myae shayなどの赤米品種は,コシヒカリよりも明らかに高い低温土中出芽性を備えていた.これらの赤米品種のもつ高い低温土中出芽性を検定する場合には,播種深度1.0 cm,15°C一定の条件下における土中出芽指数(GRI)による評価が効果的と考えられた.阿波赤米とArozz da terraについて,コシヒカリを戻し交雑したBC1F1の自殖種子(BC1F2系統)の...

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Veröffentlicht in:Ikushugaku kenkyu 2007, Vol.9(3), pp.103-110
Hauptverfasser: 山口, 琢也, 蛯谷, 武志, 表野, 元保, 山本, 良孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:イネの低温土中出芽性の品種間変異を評価するため,鳩胸状態に発芽を揃えた種子を用いて温度及び播種深度を検討した.阿波赤米,富山在来赤,Arozz da terra,ベニロマン,Khao mak fay,Khao louk kheuy,Myae shayなどの赤米品種は,コシヒカリよりも明らかに高い低温土中出芽性を備えていた.これらの赤米品種のもつ高い低温土中出芽性を検定する場合には,播種深度1.0 cm,15°C一定の条件下における土中出芽指数(GRI)による評価が効果的と考えられた.阿波赤米とArozz da terraについて,コシヒカリを戻し交雑したBC1F1の自殖種子(BC1F2系統)の低温土中出芽性を検定したところ,阿波赤米は交雑後代の低温土中出芽性に優れる比率が高く,低温土中出芽性と赤米遺伝子との連鎖関係も認められず,低温土中出芽性を向上させる優れた遺伝資源である可能性が示された.
ISSN:1344-7629
1348-1290
DOI:10.1270/jsbbr.9.103