塩添加栽培における塩生植物シチメンソウの成長とNa+吸収

日本の有明海沿岸の干潟に自生するシチメンソウ(Suaeda japonica Makino)はアカザ科に属する塩生植物である、この植物は細胞内に取り込んだ塩(Na+)を液胞に隔離するとともに、グリシンベタインを合成することによって液胞内外の浸透圧バランスを維持し、それによって高い耐塩性を獲得している。このシチメンソウを干拓地等の除塩に用いることを最終目的として、塩(NaCl)存在下で栽培を行い、塩による成長への影響とNa+吸収について検討した。シチメンソウは0.6-1.8%NaCl存在下でも旺盛に成長し、さらにその成長(植物体重)は調べた塩濃度の範囲では、0.6%NaCl添加の場合に最大となっ...

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Veröffentlicht in:Coastal bioenvironment 2007-06, Vol.9, p.71-76
Hauptverfasser: 上村, 静香, 田中, 明, 谷本, 静史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:日本の有明海沿岸の干潟に自生するシチメンソウ(Suaeda japonica Makino)はアカザ科に属する塩生植物である、この植物は細胞内に取り込んだ塩(Na+)を液胞に隔離するとともに、グリシンベタインを合成することによって液胞内外の浸透圧バランスを維持し、それによって高い耐塩性を獲得している。このシチメンソウを干拓地等の除塩に用いることを最終目的として、塩(NaCl)存在下で栽培を行い、塩による成長への影響とNa+吸収について検討した。シチメンソウは0.6-1.8%NaCl存在下でも旺盛に成長し、さらにその成長(植物体重)は調べた塩濃度の範囲では、0.6%NaCl添加の場合に最大となった。植物体(茎葉)のNa+含量は添加した塩濃度に対応して増加し、土壌中の濃度よりも高くなった。この結果は、シチメンソウが干拓地等での除塩に有効であることを示している。
ISSN:1348-7175