清水港(折戸湾)における底生動物の分布構造とその環境因子との関係

清水港は、細長く奥域のある形状をしており、最奥部は貯木場やマリーナとして活用されている折戸湾が位置している。そのため、清水港は閉鎖性の強い水域となっている。湾内には、3つの下水処理場からの処理水と巴川等3河川が流入している。特に、巴川は清水港に流入するCOD・窒素・リンの負荷量の6~8割を占めており、湾内の底生動物に大きな影響を与えている。清水港内の底生動物は、湾内の底層環境の状況をよく反映して有機汚染に強い種が港奥部に出現している一方、有機汚染に弱い種が港口部付近に多く出現するなどの傾向がみられた。底生動物と底質との関係では、硫化物0.2mg/g未満、強熱減量6%付近で種数や個体数のピークが...

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Veröffentlicht in:Umi, shizen to bunka shizen to bunka, 2007-03, Vol.4 (3), p.29-41
Hauptverfasser: 木村, 賢史, 岩田, 理恵, 高木, 容子, 山澤, 俊宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:清水港は、細長く奥域のある形状をしており、最奥部は貯木場やマリーナとして活用されている折戸湾が位置している。そのため、清水港は閉鎖性の強い水域となっている。湾内には、3つの下水処理場からの処理水と巴川等3河川が流入している。特に、巴川は清水港に流入するCOD・窒素・リンの負荷量の6~8割を占めており、湾内の底生動物に大きな影響を与えている。清水港内の底生動物は、湾内の底層環境の状況をよく反映して有機汚染に強い種が港奥部に出現している一方、有機汚染に弱い種が港口部付近に多く出現するなどの傾向がみられた。底生動物と底質との関係では、硫化物0.2mg/g未満、強熱減量6%付近で種数や個体数のピークがみられた。この傾向は、東京都内湾や大阪湾でも同様であった。1968年当時の底生動物や底質のデータと比較した結果、清水港内の底層環境の改善が示唆された。
ISSN:1348-7620