リポキシゲナーゼとグループAアセチルサポニンを欠失した大豆新品種「きぬさやか」の育成

「きぬさやか」は1993年に東北農業試験場作物開発部成分育種法研究室(現 東北農業研究センター大豆育種研究東北サブチーム)において、大豆特有の青臭みやえぐ味等の不快味を低減することを目標に、青臭みの原因となるリポキシゲナーゼ(L-1、L-2、L-3)を全て欠失した「刈系508号」を母、強い不快味を呈するグループAアセチルサポニンを欠失したA-b(F)-A0とスズユタカのF1(「刈交0459F1」)を父として人工交配を行い、以後、選抜・固定を図り、育成した品種である。「きぬさやか」は成熟期が晩で、主茎長は中である。倒伏抵抗性は強で、ダイズモザイクウイルス抵抗性は強、ダイズシストセンチュウ抵抗性は...

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Veröffentlicht in:東北農業研究センター研究報告 2007-03 (107), p.29-42
Hauptverfasser: 加藤, 信, 湯本, 節三, 高田, 吉丈, 河野, 雄飛, 島田, 信二, 境, 哲文, 島田, 尚典, 高橋, 浩司, 足立, 大山, 田渕, 公清, 菊池, 彰夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「きぬさやか」は1993年に東北農業試験場作物開発部成分育種法研究室(現 東北農業研究センター大豆育種研究東北サブチーム)において、大豆特有の青臭みやえぐ味等の不快味を低減することを目標に、青臭みの原因となるリポキシゲナーゼ(L-1、L-2、L-3)を全て欠失した「刈系508号」を母、強い不快味を呈するグループAアセチルサポニンを欠失したA-b(F)-A0とスズユタカのF1(「刈交0459F1」)を父として人工交配を行い、以後、選抜・固定を図り、育成した品種である。「きぬさやか」は成熟期が晩で、主茎長は中である。倒伏抵抗性は強で、ダイズモザイクウイルス抵抗性は強、ダイズシストセンチュウ抵抗性は弱である。花色は白で、他品種との識別性が高い。子実は中粒で臍色は黄、種皮色は黄白、粗蛋白含有率は中である。豆腐や豆乳の加工適性が良好であり、また子実中の全リポキシゲナーゼと胚軸に含まれるグループAアセチルサポニンを欠失しているため、本品種より製造された豆乳や豆腐は青臭みやえぐ味が少ない。2005年に「きぬさやか」(だいず農林130号)として命名登録され、2006年に宮城県の奨励品種に採用された。栽培適地は東北南部である。
ISSN:1347-3379
DOI:10.24514/00001203