極低ポリフェノールビール大麦育成系統の品質および農業特性
ビールの濁りや食用麦の加熱後褐変等の原因物質であるポリフェノール類の低減は大麦の重要な品質育種目標であり、極低ポリフェノール品種の育成が求められている。筆者らは、極低ポリフェノール性をもたらすプロアントシアニジンフリー遺伝子an13、an17あるいはan28を導入した極低ポリフェノール系統を育成し、その品質及び農業特性について検討した。いずれの系統もan遺伝子源となった原系統に比べて品質、農業特性とも改良されており、とくにan28を有する大系HL107、HL112は麦芽品質、農業特性ともミカモゴールデンに準ずるレベルに達しており、同じくan28を有する大系HL106、109は精麦特性が優れ、加...
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Veröffentlicht in: | 栃木県農業試験場研究報告 2007-02 (58), p.79-86 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ビールの濁りや食用麦の加熱後褐変等の原因物質であるポリフェノール類の低減は大麦の重要な品質育種目標であり、極低ポリフェノール品種の育成が求められている。筆者らは、極低ポリフェノール性をもたらすプロアントシアニジンフリー遺伝子an13、an17あるいはan28を導入した極低ポリフェノール系統を育成し、その品質及び農業特性について検討した。いずれの系統もan遺伝子源となった原系統に比べて品質、農業特性とも改良されており、とくにan28を有する大系HL107、HL112は麦芽品質、農業特性ともミカモゴールデンに準ずるレベルに達しており、同じくan28を有する大系HL106、109は精麦特性が優れ、加熱後褐変も抑制できる系統であった。ただし、極低ポリフェノール育成系統はいずれも耐穂発芽性が劣るため、軽度の穂麦芽による麦芽品質あるいは種子としての発芽特性に対する悪影響の危険があることが推察され、今後の極低ポリフェノール大麦の育種では耐穂発芽性の強化が重要であると考えられた。 |
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ISSN: | 0388-9270 |