ブドウの芽の休眠打破に及ぼす化学物質の種類と濃度の影響

自発休眠期に採取したブドウ‘ピオーネ’の挿し穂を用い、芽の休眠打破に及ぼす化学物資の種類と濃度の影響を調査した。7種類の化学物質について休眠打破の効果を比較したところ、発芽の促進と揃いからみて、2%シアナミド(H2CN2)の効果が最も大きかった。一方、10%石灰窒素(CaCN2)と5%2硫化ジアリル(C6H10S2)には休眠打破の効果は認められなかった。10%過酸化水素(H2O2)では発芽がやや抑制された。2%の塩素酸カリウム(KClO3)、塩素酸ナトリウム(NaClO3)およびパクロブトラゾール(PBZ)はいずれも休眠打破の効果を示さなかった。石灰窒素、シアナミドおよび2硫化ジアリルの濃度を...

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Veröffentlicht in:Okayama Daigaka Nogakubu gakujutsu hokuku 2007-02 (96), p.19-24
Hauptverfasser: 福田, 文夫, 久保田, 尚浩, Potjanapimon, C
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:自発休眠期に採取したブドウ‘ピオーネ’の挿し穂を用い、芽の休眠打破に及ぼす化学物資の種類と濃度の影響を調査した。7種類の化学物質について休眠打破の効果を比較したところ、発芽の促進と揃いからみて、2%シアナミド(H2CN2)の効果が最も大きかった。一方、10%石灰窒素(CaCN2)と5%2硫化ジアリル(C6H10S2)には休眠打破の効果は認められなかった。10%過酸化水素(H2O2)では発芽がやや抑制された。2%の塩素酸カリウム(KClO3)、塩素酸ナトリウム(NaClO3)およびパクロブトラゾール(PBZ)はいずれも休眠打破の効果を示さなかった。石灰窒素、シアナミドおよび2硫化ジアリルの濃度を3-4段階に変え、‘ピオーネ’挿し穂の休眠打破に及ぼす影響を調査した。石灰窒素では、20%区の発芽が著しく促進されたが、5%区では発芽の揃いがよくなかった。シアナミドでは、5%区と2%区の休眠打破効果が著しかったのに対し、0.5%区では休眠打破の効果は認められなかった。2硫化ジアリルでは、10%区で休眠打破効果がみられただけであった。以上の結果から、ブドウの芽の休眠打破に及ぼす化学物質の効果はシアナミドで最も大きく、次いで石灰窒素、2硫化ジアリルの順であったが、効果の程度は濃度によって異なった。
ISSN:0474-0254