KOH法, 分子マーカーおよび2-アセチル-1-ピロリンの定量によるイネ香り成分の評価

本研究では主としてイネの香り成分を効果的に評価する方法について検討した.アジア9力国の70品種の香り米特性を東京都府中市の東京農工大学で増殖したできるだけ均一な材料を用い調べたところ, 1.7%KOHを用いた方法が, 炊飯, 食味による官能テストと最も適合していた.また, 以前から報告された連鎖価の高い分子マーカー (SCUO15, RG28) を含むDNAマーカー13種類を用いて, 香り特性との関係を調べ, 交配後代を含む遺伝検定をおこなったが, 高い連鎖は認められず, 香り成分の客観的評価には適さなかった.また, 香り成分の主要成分とされている2-アセチル-1-ピロリンを直接測定したところ...

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Veröffentlicht in:Nettai nōgyō 2006/12/01, Vol.50(4), pp.190-198
Hauptverfasser: 吉橋, 忠, 及川, 洋征, 平田, 豊
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では主としてイネの香り成分を効果的に評価する方法について検討した.アジア9力国の70品種の香り米特性を東京都府中市の東京農工大学で増殖したできるだけ均一な材料を用い調べたところ, 1.7%KOHを用いた方法が, 炊飯, 食味による官能テストと最も適合していた.また, 以前から報告された連鎖価の高い分子マーカー (SCUO15, RG28) を含むDNAマーカー13種類を用いて, 香り特性との関係を調べ, 交配後代を含む遺伝検定をおこなったが, 高い連鎖は認められず, 香り成分の客観的評価には適さなかった.また, 香り成分の主要成分とされている2-アセチル-1-ピロリンを直接測定したところ, この解析によっても品種系統の香り特性を矛盾無く区別することにはできなかった.従って, どの品種にも適用できる, より安定した, 客観的に評価できる「KOH法」以外の方法を早急に確立する必要がある.
ISSN:0021-5260
2185-0259
DOI:10.11248/jsta1957.50.190