乳牛の炎症性疾患における末梢血白血球ポピュレーションとリンパ球幼若化反応

炎症性疾患に罹患した乳牛における細胞性免疫状態を明らかにするために、末梢血白血球ポピュレーションおよびリンパ球幼若化反応を解析した。供試牛として飛節周囲炎、蹄底潰瘍、乳房炎に罹患した臨床例68頭と、臨床的に健康な対照群12頭を用いた。各炎症群のCD4+細胞およびMHC+CD14-細胞数が対照群に比べて低値を示し、MHC-CD14+細胞数が高値を示した。各炎症群におけるPHA刺激幼若化反応は対照群に比べ低値を示し、PWM刺激幼若化反応は高値を示した。また全ての臨床例における項目の相関においては、CD14+細胞中MHC陽性率とCD4+細胞数の問に正の相関が、CD21+IgG+細胞数とPWM刺激幼若...

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Veröffentlicht in:Japanese Journal of Veterinary Clinics 2006/10/31, Vol.29(2), pp.47-52
Hauptverfasser: 大塚, 浩通, 晴山, 寛子, 小比類巻, 正幸, 今瀬, 留以, 増井, 真知子, 安藤, 貴朗, 渡辺, 大作, 川村, 清市, 佐藤, 繁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:炎症性疾患に罹患した乳牛における細胞性免疫状態を明らかにするために、末梢血白血球ポピュレーションおよびリンパ球幼若化反応を解析した。供試牛として飛節周囲炎、蹄底潰瘍、乳房炎に罹患した臨床例68頭と、臨床的に健康な対照群12頭を用いた。各炎症群のCD4+細胞およびMHC+CD14-細胞数が対照群に比べて低値を示し、MHC-CD14+細胞数が高値を示した。各炎症群におけるPHA刺激幼若化反応は対照群に比べ低値を示し、PWM刺激幼若化反応は高値を示した。また全ての臨床例における項目の相関においては、CD14+細胞中MHC陽性率とCD4+細胞数の問に正の相関が、CD21+IgG+細胞数とPWM刺激幼若化反応およびγ-グロブリン量との問には負の相関が認められた。これらのことから、炎症群ではT細胞機能の低下、またB細胞機能の亢進と数の減少があることが明らかとなった。乳牛の炎症性疾患では細胞性免疫機能低下と液性免疫機能亢進の状態にある可能性が示唆された。
ISSN:1346-8464
1883-4604
DOI:10.4190/jjvc2001.29.47