DNA塩基配列を利用した真菌の同定:国産玄米から分離されたFusariumの種レベルの同定

国産玄米から分離したFusarium を材料としてDNA塩基配列による真菌の同定を行い,その実践上の有用性と限界について検討した.rRNA遺伝子内に存在する3領域,D2, ITS1およびITS2の塩基配列を解読し,米国のNCBIが管理するGenBankデータベースに登録されているDNA塩基配列と照合した.D2領域については,Applied Biosystems Fungal Library とも照合した.Fusarium を種レベルで同定または推定するには,少なくとも3領域すべてをデータベースと照合する必要があった.今回同定に供した株の約半数は,塩基配列のみから種の同定が可能であった.残りの株...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Shokuhin eiseigaku zasshi 2006/12/25, Vol.47(6), pp.268-276
Hauptverfasser: 酒井, 綾子, 尾関, 由姫恵, 佐々木, 洋介, 鈴木, 千尋, 増井, 康子, 相原, 真紀, 菊池, 裕, 高鳥, 浩介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:国産玄米から分離したFusarium を材料としてDNA塩基配列による真菌の同定を行い,その実践上の有用性と限界について検討した.rRNA遺伝子内に存在する3領域,D2, ITS1およびITS2の塩基配列を解読し,米国のNCBIが管理するGenBankデータベースに登録されているDNA塩基配列と照合した.D2領域については,Applied Biosystems Fungal Library とも照合した.Fusarium を種レベルで同定または推定するには,少なくとも3領域すべてをデータベースと照合する必要があった.今回同定に供した株の約半数は,塩基配列のみから種の同定が可能であった.残りの株は,1株を除いて,DNA塩基配列に基づいて候補となる種を絞ることができ,形態学的手法による同定が容易になった.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.47.268