化学肥料の代替としての有機物の施用と化学合成農薬の削減が水稲の生育、収量およびアカトンボの羽化に及ぼす影響
環境と調和した農業を目的に、高冷地、猪苗代において、化学肥料・化学合成農薬を減らした水稲栽培法が水稲の生育、収量とアカトンボの羽化に及ぼす影響を調べた。結果の要約は次のとおりである。(1)発酵鶏糞、ナタネ粕、牛糞堆肥を使用して、化学肥料の施用量を半量あるいは全量削減して水稲を栽培したところ、慣行区対比90%前後の収量を得た。収量減の主要因は、生育初期の過少分げつに起因した穂数不足だった。(2)化学合成農薬の削減は、雑草の発生を除けば生育、収量に影響を与えなかった。しかしながら、無農薬区では、試験3年目には雑草の発生により収量が約30%減少した。(3)アカトンボの羽化は7月上旬から始まり、中旬に...
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Veröffentlicht in: | 福島県農業試験場研究報告 = Bulletin of the Fukushima Prefecture Agricultural Experiment Station 2006-08 (37), p.28-39 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 環境と調和した農業を目的に、高冷地、猪苗代において、化学肥料・化学合成農薬を減らした水稲栽培法が水稲の生育、収量とアカトンボの羽化に及ぼす影響を調べた。結果の要約は次のとおりである。(1)発酵鶏糞、ナタネ粕、牛糞堆肥を使用して、化学肥料の施用量を半量あるいは全量削減して水稲を栽培したところ、慣行区対比90%前後の収量を得た。収量減の主要因は、生育初期の過少分げつに起因した穂数不足だった。(2)化学合成農薬の削減は、雑草の発生を除けば生育、収量に影響を与えなかった。しかしながら、無農薬区では、試験3年目には雑草の発生により収量が約30%減少した。(3)アカトンボの羽化は7月上旬から始まり、中旬にピークを示して下旬には終了した。(4)アカトンボの羽化数は中干しによって激減し、除草を目的にした乾燥牛糞の田面散布によっても減少した。そして、ある種の殺虫剤がアカトンボの羽化数を減少させることが示唆されたが、化学肥料や他の化学合成農薬には影響を受けないことが示された。 |
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ISSN: | 0388-7723 |