富士山を題材とした森林教育プログラムの開発, 実践と効果把握: 初等・中等学校における森林教育実践上の課題と対応策

本論では学校教員を対象とした森林の多面的機能に関する教材を開発した上で, 初等・中等学校の教員を招いて研修会を開催し, 教材を活用した森林教育プログラムの実践例を提示し, さらにアンケート調査を実施して教育効果の把握と問題抽出を行った。アンケート分析の結果, 参加者全体の傾向として, 森林の多面的機能に対する関心がもともと高いこと, 多面的機能を評価する能力や生徒に伝える技能について一定の教育効果が得られたことがわかった。一方, 森林教育プログラムを実際に学校教育で実施する可能性は研修を受けても向上せず, その原因をアンケートの自由解答欄から抽出した結果, 指導者不足, フィールド確保の難しさ...

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Veröffentlicht in:Nihon Shinrin Gakkaishi 2006/06/01, Vol.88(3), pp.160-168
Hauptverfasser: 広嶋, 卓也, 山本, 清龍, 田中, 延亮, 柴崎, 茂光, 堀田, 紀文, 坂上, 大翼
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本論では学校教員を対象とした森林の多面的機能に関する教材を開発した上で, 初等・中等学校の教員を招いて研修会を開催し, 教材を活用した森林教育プログラムの実践例を提示し, さらにアンケート調査を実施して教育効果の把握と問題抽出を行った。アンケート分析の結果, 参加者全体の傾向として, 森林の多面的機能に対する関心がもともと高いこと, 多面的機能を評価する能力や生徒に伝える技能について一定の教育効果が得られたことがわかった。一方, 森林教育プログラムを実際に学校教育で実施する可能性は研修を受けても向上せず, その原因をアンケートの自由解答欄から抽出した結果, 指導者不足, フィールド確保の難しさ等の問題が明らかとなった。今後の学校における森林教育のあり方を考えると, 学校教員が指導者を務めつつ, プログラム実施に要する道具の準備やフィールドの確保については専門家の協力を仰ぐといった連携が必要と考えられた。
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.88.160