急性膵炎の犬においてC-反応性蛋白を経時的に観察した1例

雌のシェットランド・シープドッグが元気消失, 食欲不振, 血便を呈して来院し, 触診で上腹部の疼痛反応が確認された. 血液ならびに血液生化学検査では, 総白血球数の増加, アルカリフォスファターゼ, アミラーゼ, リパーゼの上昇が確認された. C-反応性蛋白 (CRP) は51mg/dlと著増を示し, 超音波画像所見とあわせて急性膵炎と診断された.第1病日より3日間の絶食絶水を行い, 抗生剤 (アンピシリン), 蛋白分解酵素阻害剤 (メシル酸ガベキサート) の静脈内投与を開始した. 第2病日には総白血球数, リパーゼは上昇していたが, CRPは低下していた. 第12病日には元気, 食欲旺盛であ...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2006/09/20, Vol.59(9), pp.619-622
Hauptverfasser: 堀, 泰智, 印東, 敦子, 山口, 五月, 上地, 正実
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:雌のシェットランド・シープドッグが元気消失, 食欲不振, 血便を呈して来院し, 触診で上腹部の疼痛反応が確認された. 血液ならびに血液生化学検査では, 総白血球数の増加, アルカリフォスファターゼ, アミラーゼ, リパーゼの上昇が確認された. C-反応性蛋白 (CRP) は51mg/dlと著増を示し, 超音波画像所見とあわせて急性膵炎と診断された.第1病日より3日間の絶食絶水を行い, 抗生剤 (アンピシリン), 蛋白分解酵素阻害剤 (メシル酸ガベキサート) の静脈内投与を開始した. 第2病日には総白血球数, リパーゼは上昇していたが, CRPは低下していた. 第12病日には元気, 食欲旺盛であり, 嘔吐もみられないことから退院した. CRPの測定は急性膵炎の経過を把握する上で有用であり, 経時的にこれを観察することで治療効果を予測することが可能であった.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.59.619