生産から廃棄までの動的サブスタンスフロー分析を用いたDecaBDEの環境排出量推定
デカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)の発生源解析,排出量推定を目的として,生産から廃棄までの動的サブスタンスフロー分析を用いた排出量推定方法を構築するとともに,日本全国を対象としたDecaBDEの大気,水域,土壌への環境排出量を推定した。さらに網羅的な文献調査から選択された排出係数と排出速度係数を用いて,経時的な環境排出量を推定した。結果として,1990年から2000年まで日本全体の環境排出量は約1.0t/yearであり,2001年後,徐々に減少していくと推定された。媒体毎にみると,大気ヘの環境排出量は,1991年に約0.1t/yearで最大となり,その後徐々に減少していくと推定され...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 環境科学会誌 2006/07/31, Vol.19(4), pp.291-307 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | デカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)の発生源解析,排出量推定を目的として,生産から廃棄までの動的サブスタンスフロー分析を用いた排出量推定方法を構築するとともに,日本全国を対象としたDecaBDEの大気,水域,土壌への環境排出量を推定した。さらに網羅的な文献調査から選択された排出係数と排出速度係数を用いて,経時的な環境排出量を推定した。結果として,1990年から2000年まで日本全体の環境排出量は約1.0t/yearであり,2001年後,徐々に減少していくと推定された。媒体毎にみると,大気ヘの環境排出量は,1991年に約0.1t/yearで最大となり,その後徐々に減少していくと推定された。最終製品使用過程以降の下流過程の寄与が経時的に大きくなり,2005年では焼却過程からの寄与が最も大きくなると示唆された。水域への環境排出量は,1990年から2000年までは約0.4t/yearであり,その後徐々に減少し,製造過程,繊維工場での使用過程下水処理過程からの排出量は全体の約90%を占めることが示唆された。また,感度解析の結果から,2005年以降は電気電子機器類の耐用期間と焼却過程における大気排出係数が大気排出量に対して感度が高く,樹脂の用途比率と製造過程の水域排出係数が水域排出量に対して感度が高いことが示された。今後,これらの値を精査することによって推定値の精度が向上されることが示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 0915-0048 1884-5029 |
DOI: | 10.11353/sesj1988.19.291 |