小川原湖産ヤマトシジミの低塩分条件下における産卵の可能性

2004年8月から2005年9月の毎月1~2回、小川原湖において、海水の浸入がある北東部と低塩分(1.0psu以下)である南西部から採集されたヤマトシジミについて、組織切片を作成し、生殖巣の生殖周期、身入度、卵径の変動から、湖南西部におけるヤマトシジミの産卵の有無を検討した。湖北東部と湖南西部で採集された試料の組織切片を観察したところ、7月下旬から9月上旬の間に卵や精子の放出が確認された。また、両定点での身入度や卵径は、7月から9月上旬にかけてピークとなり、9月下旬には減少した。さらに、湖北東部と湖南西部の身入度と卵径の変動パターンはよく似ていた。産卵誘発実験を行ったところ、水温が29℃であれ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Suisan Zoshoku 2006-06, Vol.54 (2), p.201-208
Hauptverfasser: 成田, 光好, 細井, 崇, 長崎, 勝康, 古丸, 明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:2004年8月から2005年9月の毎月1~2回、小川原湖において、海水の浸入がある北東部と低塩分(1.0psu以下)である南西部から採集されたヤマトシジミについて、組織切片を作成し、生殖巣の生殖周期、身入度、卵径の変動から、湖南西部におけるヤマトシジミの産卵の有無を検討した。湖北東部と湖南西部で採集された試料の組織切片を観察したところ、7月下旬から9月上旬の間に卵や精子の放出が確認された。また、両定点での身入度や卵径は、7月から9月上旬にかけてピークとなり、9月下旬には減少した。さらに、湖北東部と湖南西部の身入度と卵径の変動パターンはよく似ていた。産卵誘発実験を行ったところ、水温が29℃であれば、塩分1.0psuでも産卵と正常発生が確認された。これらのことから、1.0psuを超えれば、小川原湖南西部においてもヤマトシジミは産卵し、正常発生すると考えられる。
ISSN:0371-4217
DOI:10.11233/aquaculturesci1953.54.201