ナイロン糸を用いてガラス化したウシ体外受精胚の生存性(2) : ストロー内ガラス化液希釈法の開発

ナイロン糸に鉄製金属管を装着し、ストロー外部から磁石で操作できるガラス化用具を考案した。このガラス化用具を用いると、胚の超急速ガラス化後、ストロー内保存、さらには、加温時にストロー内でのガラス化液希釈が可能である。この手法で保存した体外受精胚を緩慢冷却法の凍結胚を対照として、加温または融解して、それぞれの生存率および透明帯脱出率を比較検討した。その結果、本手法による超急速ガラス化胚の生存率は緩慢冷却法と比べて有意に高く(培養72時間:94%vs66%)、同様に、透明帯脱出率も有意に高かった(培養72時間:89%vs51%)。これらのことから、本手法は超急速ガラス化したウシ体外受精胚のストロー内...

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Veröffentlicht in:福岡県農業総合試験場研究報告 2006-03 (25), p.99-103
Hauptverfasser: 笠, 正二郎, 森, 美幸, 上田, 修二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ナイロン糸に鉄製金属管を装着し、ストロー外部から磁石で操作できるガラス化用具を考案した。このガラス化用具を用いると、胚の超急速ガラス化後、ストロー内保存、さらには、加温時にストロー内でのガラス化液希釈が可能である。この手法で保存した体外受精胚を緩慢冷却法の凍結胚を対照として、加温または融解して、それぞれの生存率および透明帯脱出率を比較検討した。その結果、本手法による超急速ガラス化胚の生存率は緩慢冷却法と比べて有意に高く(培養72時間:94%vs66%)、同様に、透明帯脱出率も有意に高かった(培養72時間:89%vs51%)。これらのことから、本手法は超急速ガラス化したウシ体外受精胚のストロー内での加温およびガラス化液希釈を可能にし、生存率および透明帯脱出率が向上することが明らかとなった。
ISSN:1341-4593