ナタネ新品種「菜々みどり」の育成
2004年3月,ナタネ「東北89号」がナタネ新品種「菜々みどり」として種苗法に基づく品種登録がなされた。本品種は,東北地方に適した耐寒雪性に優れた無エルシン酸ナタネで,なたね油用(油糧作物)となばな用(野菜)に兼用できる多収品種の育成を目標として,1989年に東北農業試験場(現 東北農業研究センター)において,東北84号(後の「キザキノナタネ」)を母に,「カミキタナタネ」を父として人工交配を行い,以後,選抜・固定を図り,育成した品種である。「菜々みどり」は,寒雪害に対しては「キザキノナタネ」と同等以上であり,菌核病に対しても強い。なたね油用としての特性は子実中にエルシン酸を含まず,成熟期は「キ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 東北農業研究センター研究報告 2006-03 (105), p.49-62 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 2004年3月,ナタネ「東北89号」がナタネ新品種「菜々みどり」として種苗法に基づく品種登録がなされた。本品種は,東北地方に適した耐寒雪性に優れた無エルシン酸ナタネで,なたね油用(油糧作物)となばな用(野菜)に兼用できる多収品種の育成を目標として,1989年に東北農業試験場(現 東北農業研究センター)において,東北84号(後の「キザキノナタネ」)を母に,「カミキタナタネ」を父として人工交配を行い,以後,選抜・固定を図り,育成した品種である。「菜々みどり」は,寒雪害に対しては「キザキノナタネ」と同等以上であり,菌核病に対しても強い。なたね油用としての特性は子実中にエルシン酸を含まず,成熟期は「キザキノナタネ」並の“中の晩”で,子実収量は「キザキノナタネ」には劣るが,多収である。なばな用としては,収穫期間は「かぶれ菜」より一週間程度早く,「カミキタナタネ」並であり,一本重は「かぶれ菜」や「カミキタナタネ」よりも重い。収量は育成地では「かぶれ菜」並で,栽培予定県では「かぶれ菜」より多収であるが,「カミキタナタネ」よりはやや少ない。この品種は東北地方での栽培に適し,青森県においてなばな用として普及が図られている。 |
---|---|
ISSN: | 1347-3379 |
DOI: | 10.24514/00001191 |