ダイズモザイクウイルス抵抗性の納豆用極小粒ダイズ新品種「すずかおり」の育成

「すずかおり」は,1992年にダイズモザイクウイルス抵抗性で小粒・良質の「刈交778F5」を母に,東北地方の納豆用の極小粒品種「コスズ」を父として人工交配を行い,以後,選抜・固定を図り,育成した品種である。本品種はダイズモザイクウイルスのA,B,CおよびDの各系統に抵抗性であり,「コスズ」と比べ倒伏抵抗性が強い。子実収量は育成地では転換畑において「コスズ」とほぼ同じ,普通畑において「コスズ」より多収であり,山形県では「鈴の音」より多収である。粒の大きさは「コスズ」と同じ“極小”に属し,臍色は“黄”,種皮色は“黄白”である。裂皮の難易は「コスズ」より優れる“難”で,外観品質は「コスズ」と同じ“中...

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Veröffentlicht in:東北農業研究センター研究報告 2006-03 (105), p.17-33
Hauptverfasser: 河野, 雄飛, 湯本, 節三, 高田, 吉丈, 加藤, 信, 島田, 信二, 境, 哲文, 島田, 尚典, 高橋, 浩司, 足立, 大山, 田渕, 公清, 菊池, 彰夫, 中村, 茂樹, 伊藤, 美環子, 番場, 宏治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「すずかおり」は,1992年にダイズモザイクウイルス抵抗性で小粒・良質の「刈交778F5」を母に,東北地方の納豆用の極小粒品種「コスズ」を父として人工交配を行い,以後,選抜・固定を図り,育成した品種である。本品種はダイズモザイクウイルスのA,B,CおよびDの各系統に抵抗性であり,「コスズ」と比べ倒伏抵抗性が強い。子実収量は育成地では転換畑において「コスズ」とほぼ同じ,普通畑において「コスズ」より多収であり,山形県では「鈴の音」より多収である。粒の大きさは「コスズ」と同じ“極小”に属し,臍色は“黄”,種皮色は“黄白”である。裂皮の難易は「コスズ」より優れる“難”で,外観品質は「コスズ」と同じ“中の上”である。子実中の粗蛋白質含有率,粗脂肪含有率ともに中で,納豆加工適性は“良好”である。栽培適地は東北中南部である。2004年に認定品種として採用した山形県では,ダイズモザイクウイルスC,D系統が分布しているため,これらに抵抗性を示さない既存の納豆用品種「コスズ」,「鈴の音」の導入は困難であり,この点が改善された本品種の普及を進める。本品種は東北地方におけるダイズモザイクウイルスC,D各系統に抵抗性を有するはじめての納豆用品種である。
ISSN:1347-3379
DOI:10.24514/00001189