雌ラットのパルス状黄体形成ホルモン分泌調節における分界条床核のアドレナリン受容体の役割
分界条床核(BNS)には脳幹から多数のノルアドレナリン(NA)作働性神経が投射していることが知られている。本研究は、パルス状黄体形成ホルモン(LH)分泌調節におけるBNSのNA受容体の果す役割を解明する事を目的とした。卵巣除去(OVX)あるいは卵巣除去後直ちにエストロジェン含有シリコンカプセルを皮下に植込んだラット(OVX+E2)のBNSにNA、フェニレフェリン(α1-作動薬)、クロニジン(α2-作動薬)、あるいはイソプロテレノール(β-作動薬)を採血開始直後から1時間間隔で計3回投与した。6分間隔3時間の採血を行い、血漿中LH濃度を測定した。OVX+E2群ではBNSへのNAあるいはα1-作動...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | The Journal of reproduction and development 2006-02, Vol.52 (1), p.115-121 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 分界条床核(BNS)には脳幹から多数のノルアドレナリン(NA)作働性神経が投射していることが知られている。本研究は、パルス状黄体形成ホルモン(LH)分泌調節におけるBNSのNA受容体の果す役割を解明する事を目的とした。卵巣除去(OVX)あるいは卵巣除去後直ちにエストロジェン含有シリコンカプセルを皮下に植込んだラット(OVX+E2)のBNSにNA、フェニレフェリン(α1-作動薬)、クロニジン(α2-作動薬)、あるいはイソプロテレノール(β-作動薬)を採血開始直後から1時間間隔で計3回投与した。6分間隔3時間の採血を行い、血漿中LH濃度を測定した。OVX+E2群ではBNSへのNAあるいはα1-作動薬の投与により、パルス状LH分泌が顕著に抑制され、平均血中LH濃度及びLHパルス頻度が対照群に比べ有意に(P<0.05)減少した。一方、α2-あるいはβ-作動薬の投与はLHパルスの各パラメーターに対し有意な影響を及ぼさなかった。一方OVX群においてNA投与はLHパルスに何ら有意な効果を示さず、α1-作動薬投与がLHパルス頻度を有意に減少させたのみであった。以上、BNSへのNA入力がα1-受容体を介してパルス状LH分泌を抑制すること、またこの効果はエストロジェンにより増強されることが示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 0916-8818 |