効率的なスラリー処理技術の確立に関する試験
I.乾燥発酵処理施設(堆肥化)の処理性能。浅型攪拌施設(乾燥施設)内でスラリーを発酵開始水分まで乾燥させ、その後、発酵施設(堆肥舎)で発酵させる2段階処理方式である。牛舎から排出されるスラリーの水分は、冬期-春期で約87%、夏期-秋期で約89%と約2%の差であるが、粘性では4倍以上の差がみられた。粘性の低いスラリーの処理時には、浅型撹拌施設(乾燥施設)で乾燥を促すため、戻し堆肥を混合して水分を86%に調整することで、年間を通じ、発酵開始水分(68%程度以下)にまで乾燥させることができた。発酵施設への搬出後は、切り返しを行うことで、最終的には、切り返しによる温度上昇は確認されず、アンモニア臭気の...
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Veröffentlicht in: | 栃木県畜産試験場研究報告 2005-12 (21), p.5-13 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | I.乾燥発酵処理施設(堆肥化)の処理性能。浅型攪拌施設(乾燥施設)内でスラリーを発酵開始水分まで乾燥させ、その後、発酵施設(堆肥舎)で発酵させる2段階処理方式である。牛舎から排出されるスラリーの水分は、冬期-春期で約87%、夏期-秋期で約89%と約2%の差であるが、粘性では4倍以上の差がみられた。粘性の低いスラリーの処理時には、浅型撹拌施設(乾燥施設)で乾燥を促すため、戻し堆肥を混合して水分を86%に調整することで、年間を通じ、発酵開始水分(68%程度以下)にまで乾燥させることができた。発酵施設への搬出後は、切り返しを行うことで、最終的には、切り返しによる温度上昇は確認されず、アンモニア臭気の発生も抑制された。冬期は易分解性有機物の分解終了による性状安定によるものと考えられたが、夏期に処理が終了した堆肥(春期に乾燥処理で水分が極端に低下)については、乾燥の進みすぎによる分解停止の可能性があることから、戻し堆肥として再発酵させることが望ましいと考えられた。II.回分式攪拌ばっ気処理施設(液肥化)の処理性能。ばっ気槽と処理済みのスラリーを保管する貯留槽を区別したことで、ばっ気槽をコンパクトに抑え、効率的にスラリーを攪拌・ばっ気させることを目的とした処理方式である。排出されたスラリーを約1.5倍に希釈し、処理済みスラリーが槽の1/3-1/2程度残されている槽内でばっ気処理することで、発酵を促進させることができた。発酵に伴い上昇するスラリー温度が安定に至るまで腐熟させれば(易分解性有機物の分解終了)、3か月程度保管しても嫌気発酵に伴う硫化水素の大量発生は確認されなかった(静置時0.1ppm以下、汲み上げ時3.6ppm)。また、ばっ気槽内で高濃度のアンモニア・硫化水素の発生が確認されるが、土壌脱臭処理により、処理期間中、施設風下10m地点でのアンモニア・硫化水素の発生は臭気強度2.5以下であった。III.処理後の臭気。未処理スラリーは、散布直後に大量の硫化水素が確認されたが、堆肥化、液肥化したものは、検出されなかった(検知管検出閾:0.1ppm)。また、官能試験結果である臭気指数についても大幅に低くなっており、処理により悪臭発生が抑制されることが確認された。 |
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ISSN: | 0288-9536 |