家畜ふん尿施用による飼料畑下層への窒素動態調査

1.イタリアンライグラスと飼料用トウモロコシの連作体系において、約2年かけて十分に腐熟させた当場産堆肥(肉用牛、豚、鶏、オガクズが主原料)を、作毎に2/10a(年間4=約47Nkg)施用する試験区を慣行区(以下「堆肥慣行区」)とし、その2倍量(年聞8=約93Nkg)を施用する試験区(以下「堆肥2倍区」)を設け、作期中における土壌溶液中の硝酸態窒素濃度を4年間継続調査した。2.堆肥慣行区・堆肥2倍区ともに作物の生育初期は30cmおよび50cm深の土層における土壌溶液中の硝酸態窒素濃度が上昇する傾向にあり、特に堆肥2倍区は濃度上昇が顕著であった。堆肥慣行区は作物の生育後期にかけて30cm深の濃度が...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:栃木県畜産試験場研究報告 2005-12 (21), p.1-4
Hauptverfasser: 北條, 享, 阿部, 正夫, 杉本, 俊昭, 斎藤, 忠史, 神辺, 佳弘, 脇阪, 浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1.イタリアンライグラスと飼料用トウモロコシの連作体系において、約2年かけて十分に腐熟させた当場産堆肥(肉用牛、豚、鶏、オガクズが主原料)を、作毎に2/10a(年間4=約47Nkg)施用する試験区を慣行区(以下「堆肥慣行区」)とし、その2倍量(年聞8=約93Nkg)を施用する試験区(以下「堆肥2倍区」)を設け、作期中における土壌溶液中の硝酸態窒素濃度を4年間継続調査した。2.堆肥慣行区・堆肥2倍区ともに作物の生育初期は30cmおよび50cm深の土層における土壌溶液中の硝酸態窒素濃度が上昇する傾向にあり、特に堆肥2倍区は濃度上昇が顕著であった。堆肥慣行区は作物の生育後期にかけて30cm深の濃度が低下し、50cm深への浸透も確認されたが、80cm深ではほとんどが5ppm未満で推移した。一方、堆肥2倍区では作物の生育後期でも30cmおよび50cm深における濃度は高い傾向にあり、試験開始3年経過して80cm深でも10ppm前後で推移する時期があった。3.作物の窒素吸収量はいずれの作物も堆肥慣行区より2倍区が多く、約1.4倍であった。作物が吸収した窒素分は、その都度作付け直前に施用した窒素に由来したものとして、作物の窒素利用率を算出した結果、全試験期間を通しての窒素吸収率は、堆肥慣行区が25.6%、堆肥2倍区が27.1%とほぼ同じであった。4.完熟堆肥を連続施用した結果、硝酸態窒素は作土層下方まで浸透することが確認されたが、80cm深における土壌溶液中硝酸態窒素濃度は比較的低濃度で推移した。しかし、年間8/10aの堆肥施用では80cm深でも10ppmを越える時期があったことから、この施用量は過剰であると考えられた。
ISSN:0288-9536