北海道石狩北部の濃昼川下流域における魚類群集の月変化

1.通し回遊魚から構成される魚類群集の動態を知るために、北海道石狩北部の濃昼川下流域でシマウキゴリ、カンキョウカジカ、ウグイおよびサクラマスの現存量、個体数密度および消化管内容物の月変化を調べた。2.現存量および個体数ともにシマウキゴリが最も高かった。下流域魚類群集の月変化は本種の河川-海洋間移動や河川内移動を中心に変化し、これにサクラマスのスモルトの通過や、カンキョウカジカ稚魚の河川遡上、ウグイの増減などが加わって、群集全体の現存量と個体数は最大で約3-4倍の変動幅を示した。3.各魚種の消化管内容物組成には月変化が認められた。魚体重当たりの消化管内容物総量は最大で10倍の変動幅を示した。消化...

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Veröffentlicht in:北海道立水産孵化場研究報告 2005-03 (59), p.1-9
Hauptverfasser: 下田, 和孝, 中島, 美由紀, 伊藤, 富子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.通し回遊魚から構成される魚類群集の動態を知るために、北海道石狩北部の濃昼川下流域でシマウキゴリ、カンキョウカジカ、ウグイおよびサクラマスの現存量、個体数密度および消化管内容物の月変化を調べた。2.現存量および個体数ともにシマウキゴリが最も高かった。下流域魚類群集の月変化は本種の河川-海洋間移動や河川内移動を中心に変化し、これにサクラマスのスモルトの通過や、カンキョウカジカ稚魚の河川遡上、ウグイの増減などが加わって、群集全体の現存量と個体数は最大で約3-4倍の変動幅を示した。3.各魚種の消化管内容物組成には月変化が認められた。魚体重当たりの消化管内容物総量は最大で10倍の変動幅を示した。消化管内容物組成の魚種間における類似性を示すCλ指数の値はすべての魚種の組み合わせで常に低く、各魚種は固有の食性を持つことが示された。4.これらの結果から、通し回遊魚から構成される北海道の河川下流域魚類群集は月単位の短い期間で変動する極めて動的な群集であると考えられた。
ISSN:0286-6536